『下御殿』までは、阪和自動車道有田ICより、車でおよそ1時間半。大阪方面からいく場合、阪和自動車道南紀田辺ICか京奈和自動車道かつらぎICから、高野山の高野龍神スカイラインを走るルートが最短だ。ただし、高野龍神スカイラインは冬の間は通行止めになる場合があるので、注意しよう。
下御殿は、寛永16年創業。当時の紀州藩主であった徳川頼宣の命令で、藩費をつぎ込んで建築された江戸時代より続く伝統ある宿だ。「下御殿」という名前自体も、藩主から賜ったものだ。
廃藩に至るまで代々藩主が愛し、下御殿が守り続けてきた龍神温泉は、開湯1300年の歴史を持つ。群馬の川中・島根の湯の川と並び、日本三大美人の湯と称される秘湯。ラジウムを多く含むアルカリ性の炭酸泉が美肌に効果があるとされているだけでなく、内臓の動きも活発にするという。
この温泉を檜造りの内湯や御座敷風呂、混浴の露天風呂で満喫できる。隣を流れる日高川の流れを目に耳に感じつつ、のんびりゆったりくつろごう。
また、渓谷に建つ下御殿の客室は、和室が全て日高川に面している。本館の和室を始めとして、掘りごたつ付和室や専用の露天風呂付和室を備え、ワンランクアップした広々間取りの特別室も。歴史ある宿には珍しく、ビジネスルームも備えているので、1人旅でも困らない。