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クルマで行きたい、青森の旅館

本州の北部で、火山帯や国立公園、奥入瀬渓谷といった豊かな自然が息づく青森県。弘前城やねぶた祭といった、歴史あつ建築物や独自の文化も根付くエリアだ。そんな青森観光に欠かせないのが、旅の疲れを癒してくれる宿。今回は、青森県にある車で行きたい憧れの旅館を紹介する。

南部屋・海扇閣

東北自動車道青森ICより、車でおよそ40分。青森自動車道青森東ICからなら15分ほどで到着する『南部屋・海扇閣』は、雄大な海と津軽三味線が奏でる音楽を満喫できる温泉旅館だ。

館内は、青森県の郷土色豊かな絵画と工芸品を展示し、民芸現代和風のデザインとする。冒頭でも述べたが、ここ海扇閣では軽快な音色を奏でる津軽三味線のライブを毎晩開催。青森県特有の方言・津軽弁を交えた、迫力の生演奏を体験できる。

海扇閣自慢の温泉は、青森県でも随一の温泉郷として知られている浅虫温泉だ。平安時代にはすでに発見されており、1190年に円光大師により広められたという。

最上階の9階には、ガラス張りの開放的な空間と、眼下に浅虫の海を望む展望風呂が。最上階からの眺めの美しさは言わずもがなであるが、特に夕暮れ時。むつ湾を茜に染め上げる夕日を眺めながらの入浴は最高の体験となるだろう。

客室は、スタンダードな「標準客室」を始め、「洋室シングルルーム」に、1室のみの「特別室」といった様々な部屋を備えるが、立地を生かしてほとんどの客室がオーシャンビューだ。穏やかな海を眺めれば、身も心も穏やかに。

南部屋・海扇閣

アクセス:東北自動車道青森ICより、車でおよそ40分
引用: 南部屋・海扇閣 公式サイト

蔦温泉旅館

東北自動車道十和田ICより、車でおよそ1時間半。『蔦温泉旅館』は、十和田・八幡平国立公園の中部でブナの原生林に囲まれてひっそりと佇む温泉旅館だ。

1143年、およそ1000年前にはすでに湯治小屋があったとされる場所で、明治30年頃から営業を開始。2009年には100周年を迎え、十和田の歴史とともに歩んできた場所である。

平安時代に開湯されたという温泉は、源泉が足元から直接湧き出すという全国でも非常に珍しい源泉湧き流しの秘湯。「久安の湯」は当時の趣をそのまま残しており、昔は旅館棟専用の混浴風呂だった背景から、現在では男女入れ替え制で対応している。

また、男女別の湯「泉響の湯」は、『闘牛』にて芥川賞受賞の経歴もある北海道出身の文豪・井上靖が泉の響きが風の吹くように聞こえてくる、「泉響颯颯」(せんきょうさつさつ)と詠ったことから名付けられている。浴槽から梁までの高さが12メートルにもなる、独特の開放感と雰囲気を堪能しよう。

客室は、昭和の職人が手がけた木細工を調度品とした「趣」や大正7年に建築された本館のクラシカルな空気をそのまま残した「鄙び」、上品さと重厚さに満ちた西館特別室「ななかまど」など、それぞれ個性的な部屋を揃える。古き良き時代に思いを馳せつつ、緩やかな時間を自由に過ごそう。

蔦温泉旅館

アクセス:東北自動車道十和田ICより、車でおよそ1時間半
引用:蔦温泉旅館 公式サイト

不老ふ死温泉

青森・秋田の県境、西津軽の深浦町にある『不老ふ死温泉』は、世界自然遺産にも登録されている白神山地の麓で1970年代から営業を続ける人気の温泉旅館である。秋田自動車道能代東ICより、車でおよそ1時間。青森方面からだと、東北自動車道浪岡ICより約2時間だ。

夕方になると、景色が全て沈む夕日によって黄金色に染められることに由来して「黄金崎」と名付けられた場所に建ち、露天風呂を始め客室やレストランなど、あらゆる場所から日本海と沈む夕日を一望できる。

自慢の温泉は、何度もメディアに取り上げられた経験がある。海までわずか1メートルの場所で、海岸と一体化する造りとなったひょうたん型の露天風呂は、正に絶景の露天風呂。何も遮るものがない圧倒的な開放感は、ここでしか味わえない。

オンリーワンな景色もさることながら、その泉質もまた不老ふ死温泉ならではだ。赤褐色の源泉をかけ流しにする天然温泉は、「ここで養生すれば、老いたり弱ったりしない」とも言われている。眼前に広がる日本海を、大パノラマで楽しみながら名湯でゆっくり疲れを癒そう。

客室は、モダン洋室・和室・洋室の3タイプを揃える。ゲストの居心地の良さを第一に考えたシンプルな造りで、全室がオーシャンビューだ。時間の経過と共に移り行く海原を眺めながら、ゆるりとした雰囲気を楽しもう。

不老ふ死温泉

アクセス:東北自動車道浪岡ICより約2時間
引用:不老ふ死温泉 公式サイト

* * *

青森の民芸、ひいては日本の伝統文化をデザインした宿を始めとして、青森・十和田で100年の時を超える老舗旅館など、一度は泊まってみたい憧れの旅館が集まる青森県。青森観光の際は、憧れの宿でゆったりとした休日を過ごしてほしい。

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