東北地方の沿岸部に位置する岩手県。中尊寺やブルーの地底湖が美しい龍泉洞など多くの観光スポットに恵まれたエリアだ。そんな岩手観光に欠かせないのが、旅の疲れを癒してくれる宿。今回は、岩手にある車で行きたい、心温まるもてなしが嬉しい民宿を紹介する。
苫屋
八戸自動車道九戸ICより、車でおよそ1時間。『苫屋』は、バックパッカーとして世界中を飛び回っていたオーナー夫妻が辿り着いた岩手県九戸群の野田村に開いた「僻地の宿」だ。
この僻地というのは誇張した表現ではない。なんと、ここ苫屋にはインターネットはおろか、電話もない。もちろん、オーナー夫妻は携帯電話もスマホも持ってない。
宿泊したければ、まず苫屋に向けて手紙を書くことから始まる。都会で機能的な暮らしをしている人からすれば驚くべきことだろうが、苫屋では当たり前のこと。普段から息を吸うようにスマホの画面を覗き込んでいる人は恐怖を覚えるほどかもしれないが、それはやがて心地よい時間へ変わっていくはずだ。
客室は2室。囲炉裏の間と座敷、増設されたお風呂があるだけの宿。快適な設備など一切ない。本当になにもないのだ。しかし、その「何もなさ」に取りつかれたリピーターは多い。
南部の曲り屋で、ただ食べて寝て、美しい里山の景色を見ながら語らう時間。そして、オーナー・坂本夫妻のあたたかさ。それが、苫屋の魅力なのだろう。
苫屋
アクセス：八戸自動車道九戸ICより、車でおよそ1時間
引用： 苫屋 公式サイト
奥州平泉温泉 そば庵 しづか亭
東北自動車道一関ICより、車でおよそ20分。『奥州平泉温泉そば庵しづか亭』は、「人にやさしい宿」をコンセプトに掲げるもてなしの宿だ。
館内に入ってまず驚くのは、バリアフリー化への意識の高さだろう。段差がないどころかスロープ、優先エレベーターなど、どんな人でも安心して快適に過ごせる配慮がなされている。
客室にもそれは現れており、1階にある30畳の大部屋はユニバーサルデザイン型の客室だ。ここには、電動ベッドも完備している。さらに、洋室も車いすのまま利用できる造り。和のテイストとモダンな雰囲気を取り入れた部屋で、ゆっくりと寛げる。
また、料理は自家菜園より収穫した新鮮野菜や山菜に高原野菜、松茸に舞茸といった岩手の旬をふんだんに用いる。また、そば庵の名前の通り、打ち立て・茹でたてにこだわった手打ちそばも絶品だ。しづか亭を訪れた際は、是非1度は味わってほしい。
奥州平泉温泉 そば庵 しづか亭
アクセス：東北自動車道一関ICより、車でおよそ20分
引用：奥州平泉温泉 そば庵 しづか亭 公式サイト
川長山荘
東北自動車道盛岡ICより、車でおよそ30分。『川長山荘』は、岩手鶯宿温泉の大自然に佇む一軒宿だ。
自慢はなんといっても、100％の源泉かけ流しで愉しむ天然温泉だ。開湯450余年を数える鶯宿温泉。天正の頃に発見されたと伝えられ、鶯が傷付いた脚を浸して数日で完治していた所を発見されて以来「鶯宿」と呼ばれるようになったのだとか。
川長山荘では、この歴史ある湯を露天風呂で堪能できる。入る時間帯や季節、あらゆるシーンによって異なる表情を見せてくれる露天風呂は、何度でも入りたくなる不思議な魅力に満ちている。
そして、内湯は日本でも有数の総檜造りだ。浴場には、檜の爽やかな香りが漂い、いるだけで癒しのひと時となる。天井高く窓も大きい浴室は開放感があり、穏やかな水音が日常を忘れさせてくれるだろう。
また、料理は地産地消にこだわる。既製品を一切使わず、1つ1つ手作りするのがモットー。板長自ら仕入れて自ら調理する料理には、裏山で獲れる山菜や前沢牛にも比肩する評価を獲得した県産和牛の雫石牛といった食材を用いる。素材の味を引き立てる岩手の地酒と共に、ゆっくりと堪能しよう。
川長山荘
アクセス：東北自動車道盛岡ICより、車でおよそ30分
引用：川長山荘 公式サイト
＊ ＊ ＊
時代の流れと逆行するような、デジタルデトックスができる民宿を始めとして、手打ち蕎麦や里山の味覚を堪能できる宿など、一度は泊まってみたい民宿が集まる岩手県。大きなホテルや高級旅館もいいが、民宿だからこそ感じることができるアットホームな雰囲気や細かいもてなしを体験してみてほしい。
岩手県のレンタカーはタイムズのレンタカー
がおすすめ！
