山口県を代表する海産物がふぐだ。特に、下関を訪れてふぐを食べない手はないだろう。下関の南風泊市場には、日本全国で水揚げされる全体のおよそ8割にも及ぶ量のふぐが集められる。水揚げされるふぐの量自体は少ないが、ふぐの集積地として栄えた場所なのだ。
市場での取引の方法は、袋競りと呼ばれる独特なモノ。毎年の9月に始まるシーズンと年初の袋競りの光景は、メディアでもたびたび取り上げられるため目にしたことがある人も多いのではないだろうか。
下関名物、高級魚・ふぐの老舗として知られているのが創業80余年を数える『酒井商店』だ。昭和初期に創業した酒井商店は、下関におけるふぐ問屋の最古参。伝統工芸品であるふぐ提灯も酒井商店の初代が生み出したものだ。
取り扱うふぐの品質はお墨付きで、2006年と2017年には皇族・宮家にとらふぐ料理を献上した実績もある。そんな酒井商店の当主が、ふぐの食文化をしっかり残していきたいと、リーズナブルな価格でふぐ料理が味わえるよう問屋の2階で営業するのが『ふく処 さかい』だ。
中国自動車道下関ICより、車でおよそ10分。ここでは、定番の「ふぐ刺し」に始まり「ふぐちり」。カマや口、ノドといった部分の「唐揚げ」など、極上のふぐ料理を堪能できる。