アウトドアブランドである『ノルディスク』というブランドを聞いたことがあるだろうか?キャンプ初心者には馴染みのないブランドかもしれないが、実は上級者キャンパーには憧れのブランドとなっているのだ。そこで、ノルディスクのどのあたりに魅力が詰まっているのか、テントを中心にご紹介していこう。
シロクマがトレードマーク
ノルディスクは北欧のデンマークで生まれたアウトドアブランドで、ヨーロッパではとても有名な老舗メーカー。100年以上の歴史があり、スカンジナビア・デザインの伝統を根ざしている。
ブランドのロゴマークにはシロクマが描かれており、キャンプ場でこのシロクマを見かけたら、間違いなく上級者の証と言っても過言ではないだろう。すべてのアイテムはシンプルなデザインとなっているが、機能的で最先端の素材を採用したこだわりのあるものばかりだ。
なかでもテントの素材には透湿性の高いテクニカルコットンを採用することで、夏は風通しがよくて涼しく、冬は暖房器具を使用しても空気循環に優れているといった点も人気の理由だろう。
また、ほとんどのメーカーはドーム型やトンネル型のテントを主力としている中、ノルディスは三角屋根が特徴のティピー型やベル型をメインに販売している。北欧の寒さの厳しい風土で育ったメーカーだけに、テントの中で暖を取りやすくする工夫や、雪や風などの悪天候に対応するためであろう。
ノルディスクが上級者向けと言われるそのワケとは?
ノルディスクから販売されているテントなどは、他のブランドと比べても高価な印象を持つ人も多いのではないだろうか。しかし、単に高級なテントであるから上級者向けというわけではない。
コットン素材を使用した生地は、実は大雨にはそこまで強くはない。もちろん多少の雨であれば問題なく快適に過ごせるが、水分を吸収してしまうため設営時より重量が重くなってしまうのだ。収納時にもある程度乾かしてから畳まなければいけないなど、気を遣わなければいけない点も多くある。
設営自体は通常のテントと同様になるが、使用人数が増えるほど底辺の角が多くなり、20本近いペグダウンが必要になることも。面積が大きいテントほど確実にペグをしっかり打つことが大切になるため、多少の労力と知識は必要だ。
また、火に強い素材となっているため、寒い時期のキャンプでは薪ストーブで暖を取ることもでき、キャンプ場に薪ストーブを持ち込めば他のキャンパーからの注目を浴びるのは間違いないだろう。
これであなたもキャンプのプロ。ノルディスクのおすすめテントを3つ紹介
● アスガルド
ノルディスクの中でも人気が高いのがアスガルドシリーズ。「アスガルド7.1」は3人用、「アスガルド12.6」は6人用、「アスガルド19.6」は10人用のベル型のテント。ワンポール設計なので、ティピー型と同様にとても簡単に設営が可能だ。
テント素材にはコットン35%とポリエステル65%のテクニカルコットンが採用されているので、夏場も快適に過ごすことができる。耐水圧350mm、フロア100%防水のため、大雨にならない限り雨水が浸透してくることはない。
室内を2室に仕切ることができる3人用は、フロア一体型となっているので設営場所は慎重に選ぶ必要があるが、6人用と10人用はフロア別となっているので、地面を生かしたテントを張ることも可能である。
● アルフェイム
ティピー型のコットン素材を使用した「アルフェイム」シリーズは、インスタ映えにぴったりのテントではないだろうか。他ブランドからもティピー型は販売されているが、コットン素材が醸し出す独特の雰囲気は、多くのキャンパーの心を掴むのだろう。
「アルフェイム12.6」は5人用、「アルフェイム19.6」は7人用となり、どちらもフロアを外すことが可能だ。室内での料理や小さな焚火もできるため、寝床以外の使い方ができるもの魅力的だ。
ちなみに、円錐型モデルの場合は外側に向かうにしたがい天井が低くなるため、定員人数よりも少ない人数で使用すると快適に過ごせるだろう。
● ユトゥンヘイム
もし大きなイベントなどで使用したいのであれば、大型タイプの「ユトゥンヘイム56.5」がおすすめだ。最大で40人程度の寝床が確保でき、通常のキャンプでは味わえない体験ができるだろう。
出入口は最大6つあり、そのうち4つは窓として使用することも可能だ。フライシートの重さは40kg、ペグ96本と設営にはかなりの労力を必要とするが、遠目からでもインパクトがあることは間違いない。
ただし、キャンプ場によっては大型のテントを禁止しているケースもあるので事前確認をしておくとよいだろう。
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キャンプ初心者の中には華やかさにこだわってしまう人も多いようだが、上級者にはシンプルなアイテムほど質の良さにこだわってくる。日本においてノルディスクはまだ認知度が高くはないようだが、キャンプ場でシロクマを見かけた際はぜひ興味をもって注目してみてはいかがだろうか。