東北自動車道白河ICより、車でおよそ1時間。『民宿 伊勢屋』は、上で取り挙げた本家扇屋と同じく指定文化財・大内宿で江戸時代中期より続く旅籠を前身とする宿だ。当時から大切に住み継がれてきた茅葺屋根がその歴史を物語っている。
2020年の10月には館内12畳の和室をリニューアル。昔ながらの雰囲気はそのままに、より住みよく生まれ変わった。
客室は、6畳と8畳の本座敷は部屋自体が文化財。新建材を一切用いない伝統建築は、冬場は冷え込みが激しく決して快適とは言えない。しかし、それこそが自然の中で生きるということ。人間がほんらいあるべき姿は何なのか、語りかけてくるような部屋だ。食事は広間か囲炉裏の間で。炭火を囲んで、ゆったりと福島が誇る銘酒を傾けよう。
また、伊勢屋には「宿カフェ いせ屋」が併設している。自慢の紅茶がポットで提供され、ランチや雑貨を購入することも可能だ。