中国自動車道・関門自動車道下関ICより、車でおよそ10分。『下関春帆楼本店』は、日本の歴史を語る上でも重要な役割を担った、伝統ある割烹旅館である。
古くは、伊藤博文、高杉晋作、山縣有朋など、維新の志士たちも頻繁に出入りし、明治20年には初代内閣総理大臣となっていた伊藤博文にふく(トラフグ)御膳を出し、翌年には日本初のふぐ料理公許第一号に認定。明治28年には、日清講和会議の会場として利用されたことも。
昭和12年には世界の外交史に残る講和会議の意義を後世に遺すため、春帆楼の隣接地に日清講和記念館を開館。講和会議が行われた部屋を当時の調度そのままに再現し。浜離宮から下賜された椅子をはじめ、伊藤博文や李鴻章の遺墨など、講和会議に関する多くの資料を展示している。
そんな下関春帆楼本店が用意した客室は、和室を中心としたくつろぎの空間だ。大小さまざまな部屋を合計10室揃えている。宿泊した際には、何が何でもふぐのフルコースを食べておきたいところだ。
春帆楼伝統の先付け料理である鯛わたに続き、有田焼の絵柄が透けるほど薄く切られた薄造り、昆布だしで熱々に仕上げたちり鍋。王道ともいえるふぐのフルコースを、歴史の舞台ともなった場所でゆっくりと。