最後に取り上げるのは、言わずと知れた香川県の名物・讃岐うどんだ。香川県の綾川町、滝宮が発祥の地として知られており、滝宮天満宮には伝承も残っているという。
平安時代、9世紀初頭にうどんの原型「はくたく」の作り方を空海から弟子に伝えられた。その弟子が両親のために作ったのが始まりとされている。当時は、まだほうとうの麺のような形をしていたはくたくであるが、それにこうじと塩をかけて食べていたようだ。
その後、途方もない長い期間を掛けてさまざまな技術が向上、改良が重ねられた結果現在の讃岐うどんになったのである。
全国的に見ても、香川県の小麦使用料はおよそ6万トン(平成21年当時)にも上る。2位にダブルスコアを付けてのトップだ。香川県民が、どれほどうどんを日ごろから食しているか分かるだろう。
香川県の高松市で、うどんを求めて長蛇の列を作るのが『手打十段 うどんバカ一代』だ。この店舗は、高松自動車道高松中央ICより、車でおよそ10分の場所にある。手打ちのうどんは1晩寝かせ、素材と製法にこだわって作られる特徴的なコシと弾力はこの店ならでは。ダシが美味しいという声も多く、ブラウンがかった透明感溢れるダシはすべての旨味を凝縮している。
また、少し変わり種であるが「釜バターうどん」も大人気メニューの1つ。うどんにダシと生卵、バターを絡めてすするうどんはブラックペッパーで味を整えた和風カルボナーラだ。