北陸自動車道加賀ICより、車でおよそ15分。同、片山津ICより、約20分の場所に位置する『あらや滔々庵』は、は、開湯1300年の歴史を誇る名湯・山代温泉で、加賀83万石の当主であった前田家入湯の宿として発展した温泉旅館だ。
行基という名の高僧が、カラスが傷を泉で癒しているのを発見した725年より、現代に受け継がれている山代温泉。全国的にも珍しい、わずか地下数十メートルより湧出している貴重な温泉を、あらや滔々庵では1日におよそ10万リットルという豊富な湯量で愉しむことができる。
開放的で明るい大浴場はもちろんのこと、専用の露天風呂付の客室でも静かにゆっくりとお湯を独り占めできる。市中の山居と呼ばれるほど静寂に包まれた雰囲気の中、寛永年間に造られたという山庭を眺めつつ、春夏秋冬移ろう季節を感じよう。
また、料理は自然豊かな加賀・山代の恵まれた食材をふんだんに用いて造る加賀会席だ。良いものはそのままに。素材本来の味を最大限生かすため、手を加えすぎずに造られた会席は、料理の本質にも迫る。九谷焼や山中塗りといった地元作家が手がけた器に盛り付けることで、一部の隙もない究極の献立が完成するのだ。季節で変わる完璧な献立を、あらや滔々庵で味わおう。