CAR

【日産 アリア(ARIYA)】日産が本気見せた?新型クロスオーバーEV 世界初公開

2020年7月15日、オンライン発表会にて、日産の新型クロスオーバーEV「アリア(ARIYA)」がワールドプレミアされた。2019年10月に開催された東京モーターショー2019でコンセプトモデルが公開されていたが、今回はじめて市販モデルがお披露目された。実際に、どんなクルマなのか、その全貌を見ていこう。

日産の未来を担う、新型クロスオーバーEV

アリアは、日産初となるクロスオーバーSUV仕様の電気自動車(EV)だ。クロスオーバーSUVならではのデザイン性や快適さ、EVの持つ運転の楽しさ、そして環境性能といった要素を詰め合わせたモダンでスタイリッシュな1台へと仕上がっている。

なぜ、日産はクロスオーバーSUVのEVを開発したのだろうか。その背景には、日産の手掛けるEVを世界に展開するための試みが秘められている。クロスオーバーSUVは、いま世界的にも激戦区であり、日産はこの分野を切り開いてきた。ここで、新たな自信作を投入することにより、EV市場でのさらなる展開を期待しているのだ。

そんな期待が込められるアリアの魅力のひとつは、日産が得意とする走りの技術だという。加速性能は、日産が手掛けるスポーツカー「フェアレディZ」にも匹敵する。力強い走りもさることながら、EVならではの静粛性もまた魅力となるだろう。

新たな日産へ生まれ変わるため、ロゴも刷新

アリアは、日産の新たな歴史を切り開くモデルとしても君臨する見込みだ。これまで、日産は数々のイノベーションを生み出しており、その中の一つには量販型電気自動車「リーフ」の販売も含まれている。当時、EVに対する評価が薄かったものの、10年の時を経て現在は多くのメーカーでその技術が活かされている。

この10年間で培ったEVのビックデータによるノウハウを活かし、アリアの開発に合わせて、まったく新しいEV専用のプラットフォームを展開する。そして、年間100万台以上の電動車を販売することを目標としているのだ。こうした日産の新しい時代を切り開く先駆けとして、アリアが登場したといっても過言ではないだろう。

さらに、今回のアリアの発表に合わせ、新しい日産のブランドロゴが公開された。従来のデザインに比べ、より靭やかな印象へと生まれ変わっている。これは、未来へと舵を切る日産の姿を表現している。

一方、日産ならではの伝統を継承する一面として、丸い太陽を貫く水平ラインは、『至誠天日を貫く』といった創業以来から掲げる言葉を表している。また、「NISSAN」の文字をロゴの中央に置くことで、過去の名車や日産の歴史を想像させるほか、ひと目で日産であることを認識できるデザインへと作り込まれているのだ。

NISSAN NEWロゴ

最新のEVパワートレインによる楽しもしいドライブパフォーマンスを実現

アリアは、現在のEVとしては非常に高い性能を誇っている。この技術力を幅広い顧客に楽しんでもらうため、バッテリータイプ2種類・駆動方式2種類の組み合わせによる計4種類のバリエーションを展開する。

FF方式は、60kWh級のバッテリーと長距離ドライブ向けの90kWh級のバッテリーを用意。また、より高い動力性能を求める方には、4輪駆動方式の「e-4ORCE(イーフォース)」も展開しており、FFモデルと同様に60kWh・90kWh級のバッテリーが用意されている。

このe-4ORCEとは、フロントとリアに2つのモーターが搭載されており、異なる2つの制御技術を融合させたシステムだ。1つ目はEV開発で培った制御技術、2つ目は「GT-R」などのスポーツモデルで培った制御技術である。これにより、どんな場面や天候であっても、より安全で安定した楽しいドライビングパフォーマンスを実現する。クルマのボディの揺れが少ないので、同乗者も快適に過ごせること間違いないだろう。

続いて、先述した新しいEVプラットフォームは、新しいモーターとバッテリーを組み込んでいる。

モーターは非常にコンパクトなので、居住空間を広く確保できる。また、バッテリーも非常に薄いため、フロアも真っ平らなものが実現されている。その性能は、幅広い顧客や使い道に合わせ、どんな気候変動にも対応できるよう、水冷による温度調整機構が入っている。したがって、寒暖に関係なく安定した充電性能を得ることができるのだ。さらに、高性能な充電設備があれば、30分の充電で375kmの航続距離をリカバリーすることも可能である。

さらに、「スカイライン」での搭載で好評を受けている「ProPilot2.0」をアリアにも導入。これは、高速道路上の単一車線内で手を離しても走っていくことができる運転支援技術だ。また、アリアからは準天頂衛星システムを使うことで、より正確でスムーズなクルマの動きを実現することに成功しているという。

各ユーザーのライフスタイルに寄り添うコネクテッドカーへ

アリアは、コネクトテッドカーとしても非常に優秀な技術力を誇る。この技術により、人とクルマの新しい関わり合いは自宅にいるときかたはじまり、各ユーザーの好みや生活に合わせて、毎日をシームレスかつ快適に演出することができるのだ。

シームレスを代表する特徴として、スマホを使って手軽にドライブの準備ができる。アリアは、目的地へのルート設定画面に充電スポットが自動的に経由地として設定されるため、長距離ドライブも安心して楽しめる。このような設定をスマホで手軽に操作できるため、自宅に居ながらクルマと繋がることも可能である。

また、Amazonの音声サービス「Alexa」を導入することで、クルマの中だけでなく、外からも音声操作が可能に。自宅のスマートスピーカーを使って、リモート操作をすることもできるのだ。さらに、Alexaは家庭のホームデスバイスと連携することで、車内にいながら音声操作で自宅の照明を付けたり、エアコンのオン・オフ操作も実現できる。

車内に搭載されているディスプレイは、見やすさ・使いやすさ・インテリアの調和などを意識したモノリス形状のものを搭載。スクロールやスワイプなど、直感的な操作でチェックした情報を求めている場所に移動することもできるのだ。さらに、フルカラーの大型ヘッドアップディスプレイにより、視界を前方から逸らすことなく、運転に必要な情報を確認できる。

こうした各ソフトウェアは無線でアップデートされるため、いつでも最新の地図情報や新しい機能を届けられるだろう。このように、アリアだからこそ実現できるコネクテッドカーのサービスを通して、各ユーザーの生活に溶け込みながら、よりシームレスな体験を提供してくれることは間違いない。

NISSAN アリア

* * *

新型クロスオーバーEVアリアは、日産の新しい歴史を切り開く1台といっても過言ではない。これまで培ってきた先進技術を活かしながら、まったく新しいクルマがここに誕生した。ブランドロゴも一新され、日産の新たなる挑戦がうかがえるクルマと言える。販売開始予定は2021年となっているため、いまから待ちきれないユーザーも多いのではないだろうか。実際に、その乗り心地を肌身で確かめてみたいものだ。

関連記事

  1. 小さなプレミアム・スポーツセダン IS350に見る、レクサスのブ…
  2. 第4章 オイルショックを乗り越えて「MAZDA RX-7」
  3. 【ベントレー ベンテイガ・スピード】新型を発表!635PSを発揮…
  4. 第1章 通産省の国民車構想、「TOYOTA PUBLICA」と「…
  5. 【欧州トヨタ ランドクルーザ】改良新型を発表…“ぴっ…
  6. 第5章 遂に誕生する、SUBARUのその後30年を支える“伝承遺…
  7. 1980年代後半、日産に咲いたバブルの“あだ花”、マーチに居並ぶ…
  8. 日本のサーキット変遷史Vo.3~オートポリス編~

おすすめ記事

  1. シントトロイデン 2021-2022シーズン ユニフォーム

Category



PAGE TOP