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【フェラーリ SF90ストラダーレ】フェラーリ初のPHEV・SF90ストラダーレ

2019年、フェラーリファンにとっては忘れられない年となった。フェラーリがブランド初となるPHEV・SF90ストラダーレを発表したのだ。ハイブリッドの力を得て、歴代でも最高のパフォーマンスを発揮するSF90ストラダーレは、まさにモンスターマシンと呼ぶに相応しいだろう。今回は、SF90ストラダーレについてその魅力を存分にお伝えしたい。

フェラーリ、ニュージェネレーションの幕開け

スーパーカーにもPHVの波が押し寄せている。2013年にはマクラーレンがP1を発表、続く2014年にはランボルギーニがアステリオンをパリサロンでお披露目した。そして、2019年イタリアの名門・フェラーリがPHEVモデルを発表した。ブランドでも初となるPHEVの名前はSF90ストラダーレ。

フェラーリお抱えのレーシングチームであるスクーデリア・フェラーリのイニシャルと、同チームの設立90周年を記念した名前が与えられている。「ストラダーレ」とは公道、つまりストリートを表現するイタリア語なので、SF90ストラダーレはSF90の公道仕様となる。

だが、SF90ストラダーレが発表されたのは、単純なチーム設立記念の祝賀行事ではない。これまで、内燃機関を搭載し伝統と技術力に裏打ちされた圧倒的なパフォーマンスを誇るモデルを開発し続けてきたフェラーリというブランドそのものが、次のステップへシフトしたことを示している。これからSF90ストラダーレを旗頭として、PHVやEVといったモデルラインナップが展開していくはずだ。

システム総合出力は驚異の1000PS

実は、スペックを追求するスポーツカーとPHEVの相性は悪い。なぜなら、大容量のバッテリーとモーターを搭載することが前提となるため、どうしても車体が重くなりがちだからだ。どんなモンスターマシンであっても、電動化のための基本的なシステムを考えなしに搭載してしまえば途端にポンコツになり果ててしまうだろう。

しかし、SF90ストラダーレはフェラーリがF1によって培ってきたノウハウが余すところなく注入され、史上最も革新的なモデルである。

フェラーリこそ、地球上で最高にクールなクルマだと信じて疑わないフェラーリファンのため、SF90ストラダーレはなんとエンジンとモーターの組み合わせで驚異の最高出力1000PSを叩き出す。暴力的ともいえるこのスペックで、SF90ストラダーレは最高速度340km/h、0-100km/hを2.5秒で走り抜ける……というより、乱暴に言えば「ブッちぎる」。

この速度が如何に尋常ではないかは、日本が誇るスーパーカーの2台。日産のGT-R NISMOで0-100km/h加速2.8秒、ホンダ NSXが0-100km/h加速2.9秒という数字からも理解できるだろう。

この速度を生み出すのが、ミドシップレイアウトされた4.0L V型8気筒ツインターボエンジンだ。エンジンのみで最高出力は780PSを記録し、ハイブリッドシステムとしてフロントモーターが2つ。リアモーターは1つ搭載している。

次世代モデルを名乗るに相応しい新技術の数々

このモデルには様々な技術が初採用されている。

フェラーリ初めての4WDモデルとして誕生したSF90ストラダーレの駆動システムは、e-4WDシステムと呼ばれる。これは、完全電動を実現するシステムであり、フロントアクスルのみを可動させるe-ドライブモードにて25kmの走行を可能にした。

そして、トランスミッションも新開発の新デュアルクラッチ8段ギアシフトが採用され、従来に比べ35%の素早いギアチェンジを可能にしている。

さらに、フェラーリはシャシーの設計にも手を抜かない。SF90ストラダーレに採用されるマルチマテリアルシャシーは、リアのエンジンルームとキャビンを仕切るバルクヘッドにカーボン素材を採用。アルミニウムシャシーとしたことで、更なる軽量化にも成功している。

また、インテリアもSF90ストラダーレ専用の新しいデザインが採用された。トピックスとしては、従来の機械式メーターを取り払い16インチフルデジタル曲面クラスターパネルが搭載されたことだろう。これに、新世代ヒューマンマシンインターフェイスが組み合わされ、これまでにない近未来的なコクピットを作り上げている。

フェラーリ・SF90ストラダーレ

* * *

単純にハイブリッド化するだけでは余りにも芸がない。そのような野暮なことはせず、様々な新技術が投入され、スポーツカーとして基本的なあるべき姿に磨きを掛けたSF90ストラダーレ。この個性的なPHEVは、ラインナップのどれにとって変わる物ではないし、そうあってはいけない。フェラーリが生み出した最高のハイブリッド・スポーツとして、ファミリーのトップレンジであり続けてくれるだろう。

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