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【アウディ e-tron】ハイパフォーマンスなEV、「S」モデルが誕生

アウディのe-tronといえば、2009年以降発表されているコンセプトカーの名称だ。永らく、「e-tron」としての発売はされないだろうと見られていたが、2018年9月に量販車バージョンが初めて発表された。その高性能モデルとして位置づけられる、アウディのe-tron Sについてどのようなモデルなのか探っていく。

アウディファミリーに待望のEVが追加

世界に向けて初公開されたe-tronにはSUVスタイルの専用ボディがあたえられており、欧州での予約こそ開始されているものの、日本への導入はまだ未知数だ。

そんなアウディのe-tronだが、6月の17日に高性能モデルの開発を進められていることが発表された。モデル名は、e-tron Sである。このe-tron Sはブランド初の量販型EVとなるe-tronをべースとして、EVのユニットパワーを強化したモデルとなる。アウディは通常の内燃機関搭載車に、高性能モデルとして「S」を展開している。EVであるe-tronにも、高性能モデルの展開計画が予定されていることが、ようやく明るみになった格好だ。

新開発の特許技術を搭載

注目なのは、e-tron Sに新しく採用されるアウディの特許技術だ。エアフロー機能を持つフロントアーチトリムがその一つであり、エアロダイナミクスを最適化するためのものだ。

さらに、フロントバンパーに開けられた特徴的なエアインレットであるエアカーテンで、走行中にホイールと車両サイドへ流れる空気の流れを操る。

e-tron Sの空力に対するアプローチは、これだけに留まらない。専用デザインの20インチホイールやタイヤに刻まれるトレッドパターンに至るまで、全て空力特性を最大限に向上させるためだ。芸が細かい! と思わず笑ってしまいそうだが、これらの特許技術により優れたエアロダイナミクスだけではなく、「S」モデルらしい俊敏な走りを予感させるエクステリアを両立した。

このエアロダイナミクスとは、走行時に車が受けることになる空気の抵抗のことだ。この力が優れているほど、高速走行時の安全・安定性を確保することができるだけでなく、燃費性能の向上も期待できる。

e-tron Sの抗力係数は、公称値で0.28。SUVスタイルのモデルとしては、世界でもトップクラスの数字を誇っている。

また、空力を徹底的に向上させるため、ドアミラーにはバーチャルミラーが採用された。このバーチャルミラーは、航続可能距離をおよそ3kmも伸ばす効果を発揮するという。内蔵される小型のカメラが周囲の状況を捉え、ダッシュボードにの左右に設置されるOLEDディスプレイに表示。車が動いているシーンに合わせて、視野角はベストなものに調整される。

スポーツカー顔負けのハイスペックっぷり

e-tron SのEVユニットは、従来のようにモーターが2つではなく3つとしているのがトピックスだ。フロントに1モーター、リアに2モーターを配置する。

フロントに追加されたモーターは最高出力169hp、一旦牙を向けば最高出力204hpを発揮する。さらに、リアモーターも出力が強化されており。最高出量266hp、ブースト発生時には最高出力359hpにまで達する。

この3モーターの出力を合計したシステム総合での出力は最大出力435hp、最大トルク82.4kgm。マックス8秒間持続するブースト走行時には、最高出力5.3hp、最大トルク99.2kgmへと引き上げられる。よっぽどのことがなければブーストモードのお世話になることはなさそうだが、その言葉の響きにはなんとも近未来的なロマンがある。

暴力的ともいえる力強いEVユニットを搭載した結果、e-tron Sは0-100km/hを4.5秒で走り抜け、最高速度は210km/h。アウトバーンの走行を考慮した、ドイツ車らしい強烈な味付けだ。

この力強いユニットを、アウディならではのインテリジェントな駆動制御で見事にいなしきる。エレクトリックになったクワトロシステムに加え、リアアクスルには電動トルクベクタリングが採用された。

走る技術だけではなく、車体を自在に操作する技術にも重点が置かれている。止まる技術としてブレーキキャリパーは、大きなストッピングパワーを生み出す6ピストン。フロントには直径400mmのディスクブレーキを備えている。

また操る技術として、プログレッシブステアリングを装備。ダンパーをSモデル専用に換装し、コーナリング突入時のロールを抑えるためにスタビライザーも拡大させている。

e-tronは、アウディとしても初めての量販EVだ。その「S」モデルが登場するのなら、さらにパフォーマンスを追求した「RS」モデルも予定されているかもしれない。モータースポーツの最高峰・F1でもEVが走る時代だ。e-tron SはEVのハイスペック化に先駆けたモデルなのかもしれない。

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