新東名高速道路新城ICより、車でおよそ15分。『はづ合掌』が建つのは、荒々しい岩肌が見える山々に囲まれた茶畑と、数件の農家があるだけののどかな集落だ。
宿のすぐ目の前には槙原渓谷が流れ、温泉街からは離れた場所でゲストの心安らぐ空間を生み出した。1000坪に及ぶ敷地の中、築150年を数える越中八尾の合掌造りを移築。重厚で趣ある建物が、自然の風景に見事に調和する。
客室は、宿泊棟となっている2階建て合掌造りの中に。構造を最大限活用して仕立てられた各部屋は、それぞれ独立した別荘の趣である。2階にベッドルーム仕様の2間続き、1階には4~5人用の掘りごたつ付きの寝室や和室のみの部屋が2部屋。10畳の和室1間が1室。居間は、5室の客室それぞれに設えが異なるといった具合だ。
露天風呂は、名物の渓谷を眼下に見下ろす薬湯の露天。渓谷に張り出した岩盤の上から、湯に浸かりつつ槙原渓谷を見晴らすことができる。
また料理は、人の体と土地は切り離せない関係にあるという「身土不二」の考えに基づいたもの。槙原渓谷を中心とするその土地の食材を、丹精込めて和の会席に仕上げる。素朴で力強い地の物の味を渓谷のせせらぎを聴きながらゆっくりと頂こう。