東京から見て西の方角、信州は長野県。国宝に指定されている松本城を始めとして、日本最古の小学校である旧開智小学校、蔵造りの風景が残る中町通りなど、多くの観光スポットに溢れているエリアだ。そんな長野観光に欠かせないのが、旅の疲れを癒してくれる宿。今回は、長野県にある車で行きたい、憧れの旅館を紹介する。
浅間温泉 菊之湯
中央自動車道岡谷JCTを経由、長野自動車道松本ICより車を約7キロほど走らせた場所に建つ『浅間温泉 菊之湯』。歴史の香りが色濃く残る、信州は松本の奥座敷である浅間温泉に明治24年に創業した伝統ある本棟造りが特徴的な宿である。
この本棟造りとは、松本市を中心に伝わる伝統的な民家の形式のこと。緩やかな傾斜が付いた切妻屋根を特徴とし、三角屋根の先には大きなすずめ踊りが乗る。菊之湯では、縦横に交差する梁やアンティーク家具、古美術品といった信州ならではの趣と温かみを感じることができるだろう。
自慢の浅間温泉は、肌触りの柔らかいアルカリ性の単純温泉だ。男女入れ替え制となる「菊風呂」と「紅風呂」2つの湯船で温泉を楽しめる。さらに浴場の他、ほとんどの客室に源泉かけ流しの内湯が。プライベートな空間で、何も気にせず温泉に浸かるのも贅沢な時間の使い方だ。
また、料理は新鮮な旬の野菜を中心とした懐石料理である。日本料理も含めて宿文化の1つであるという考えに基づく菊之湯では、地元信州産を始めとして全国各地から季節の素材を集める。長野名物である馬刺しをはじめとした郷土の味、こだわりの和の懐石を厳選した地酒と共に。
浅間温泉 菊之湯
アクセス：長野自動車道松本ICより車を約7キロ分
引用： 浅間温泉 菊之湯 公式サイト
信州湯田中温泉 よろづや
上信越自動車道信州中野ICより、志賀中野有料道路を走っておよそ20分。『信州湯田中温泉 よろづや』は湯田中温泉で寛政年間に創業した、長野県内でも屈指の老舗旅館である。
江戸時代には松代藩の湯治場として、善光寺詣後の精進落としの湯として名を馳せた湯田中。
この湯をこよなく愛した俳人・小林一茶は自著のなかで「湯のある所は山陰ながら糸竹の声常にして老いの心も浮きたてさながら仙窟に入りしもかくやあらんと覚ゆ」と記すほどの賑わいを見せたという。
200年もの長きにわたり、人々におもてなしとくつろぎを提供し続けてきたよろづや最大の魅力といえばやはり温泉だ。およそ1350年前に開湯したと言われている湯田中温泉は、僧智由が発見。万病を癒し、心爽やかにする霊験あらたかな湯として松代藩・真田氏に愛されてきた。
3つの源泉を保有するよろづやでは純木造伽藍建築の桃山風呂や野趣に溢れる庭園露天風呂といった、6つの湯殿で長寿の湯を堪能できる。
信州湯田中温泉 よろづや
アクセス：東上信越自動車道信州中野ICよりおよそ20分
引用：信州湯田中温泉 よろづや 公式サイト
旅館すぎもと
中央自動車道岡谷JCTを経由。長野自動車道松本ICより、車でおよそ20分。『旅館すぎもと』は、遊び心を詰め込んだ個性豊かな館内が魅力の宿だ。どこか懐かしい空間は、温かみ溢れる民芸調。ロビーに一歩足を踏み入れると僅かに聞こえるジャズが、ゲストを一気に非日常感へいざなう。
客室はロフト付きや囲炉裏付き、民芸調に隠れ家ツインなどそれぞれに造りの異なる部屋が揃っている。特に、すぎもとが誇るスイートルーム「女鳥羽」は、乗鞍岳が見えるベッドルームとロフト付きの和洋室だ。
松本民芸家具をインテリアとして備え、旅館の設備としては珍しいオーディオルームも完備。極上のサウンドに身を包まれて、くつろぎのひと時を過ごすことができる。
館内に引かれる温泉は、敷地内の源泉から滔々と湧き出る美ヶ原温泉だ。木曽の五木を用いた内湯を始め、青石を敷き詰めた露天など、バリエーション豊かな湯船で温泉を満喫できる。
旅館すぎもと
アクセス：長野自動車道松本ICより車でおよそ20分
引用：旅館すぎもと 公式サイト
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信州の奥座敷・松本で明治24年創業の老舗旅館を始めとして、松代藩の湯治場として賑わった湯田中温泉を現代まで受け継ぐ宿など、一度は泊まってみたい憧れの旅館が集まる長野県。長野観光の際は、憧れの宿でゆったりとした休日を過ごしてほしい。
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