上信越自動車道信州中野ICより、志賀中野有料道路を走っておよそ20分。『信州湯田中温泉 よろづや』は湯田中温泉で寛政年間に創業した、長野県内でも屈指の老舗旅館である。
江戸時代には松代藩の湯治場として、善光寺詣後の精進落としの湯として名を馳せた湯田中。
この湯をこよなく愛した俳人・小林一茶は自著のなかで「湯のある所は山陰ながら糸竹の声常にして老いの心も浮きたてさながら仙窟に入りしもかくやあらんと覚ゆ」と記すほどの賑わいを見せたという。
200年もの長きにわたり、人々におもてなしとくつろぎを提供し続けてきたよろづや最大の魅力といえばやはり温泉だ。およそ1350年前に開湯したと言われている湯田中温泉は、僧智由が発見。万病を癒し、心爽やかにする霊験あらたかな湯として松代藩・真田氏に愛されてきた。
3つの源泉を保有するよろづやでは純木造伽藍建築の桃山風呂や野趣に溢れる庭園露天風呂といった、6つの湯殿で長寿の湯を堪能できる。