『鳳明館』は、多くの文豪が愛した文京区の本郷で築100余年を数える老舗の宿だ。登録有形文化財に指定されている建物は、伝統的な木造建築。下宿屋から旅館に転業した当時の趣がそのまま残っている。その佇まいは、大正からそのまま時が止まったようだ。
本館・台町別館・森川別館の3棟に分かれており、最も大きいのは森川別館。明るい開放感に加えて、日本建築独自の職人技が光る設えや昭和レトロなインテリアが随所にあしらわれている。
ここ鳳明館は、宿泊だけでなくさまざまな使い方が可能な場所でもある。日帰りでの宴席や、撮影スタジオ、研修やイベント会場としても利用できる。
さらに、バリエーション豊かな期間限定プランが数多く展開されているのも魅力の1つ。閑静かつ換気も良い部屋で、テレワーク用のデイユースプランや1名のみの素泊まり/1泊朝食付きプランも。
特に面白いのが、「文豪缶詰プラン」と名付けられたプランだ。これは、石川啄木や金田一京助、北原白秋や手塚治虫といった名だたる文筆家や漫画家が滞在した街で、その名の通り「カンヅメ」になることができるプラン。
無料で行ってくれる進捗確認の「進捗コール」を始め、担当編集チームが付くオプションなど、旅館が提供するサービスとしては余りにもユニークだ。テレワークやお篭り全盛の今、老舗旅館で仕事をすれば、よりはかどるに違いない。