東京方面より、名阪国道山添ICで一般道へ降り、走る奈良県高畑町方面へ走ることおよそ40分。『四季亭』は、東大寺や春日大社といった日本を代表する歴史的遺産が残る奈良公園の鳥居隣に佇んでいる。創業して、すでに100余年を数える老舗旅亭であり、外観は社寺風建築だ。遺産が点在するエリアに、しっくりと溶け込んでいる。
宿泊のために用意されたのは、部屋毎に設えの異なる9室。宿泊棟3階唯一、中秋の名月を月の出から入りまで楽しめるよう、南側に大きな窓を配置した「観月」や創業から唯一造りをそのまま遺した四季亭のシンボルとも言える「養老」、さらには春日大社建立にも携わった宮大工が施工。大和路比古の水墨画に赤膚焼茶壷を調度品として備え、掘りごたつ付でゆったりとした時間の流れを提供する「瑞雲」など、それぞれに新しい空間と雰囲気を繰り返し楽しめる場所を揃えた。
提供される食事は、大和路会席と名付けられている。「茶懐石」をコンセプトとし、遠州の七窯に数えられる奈良の名品「赤膚焼(あかはだやき)」の器で頂く。お酒の席にも対応できるよう工夫された献立は地産地消にこだわり、奈良の大柳生で獲れる新鮮な旬の食材をふんだんに用いる。
この料理は、宿泊客だけでなく食事だけでの利用も可能。れすとらん・御座敷で予約をすることで、絶品のコース料理を堪能できる。奈良の度に、さらなる彩を加えてくれるはずだ。