東京方面より、東名高速厚木ICから小田原厚木道路小田原西ICを経由。国道1号線を走ることおよそ20分。『萬翠楼 福住』は、寛永2年に創業。伝統的な数寄屋風の日本建築と西洋技法が融合した擬洋風建築は神奈川の建築100選にも選出され、現役の旅館としては国内で初めて重要文化財建造物に指定された老舗旅館だ。
明治の初期に建立されたという建物は、その佇まい、風格、雰囲気。どれをとっても超一流。幕末から明治にかけて、徳川家15代最後の将軍・徳川慶喜や日本国初代内閣総理大臣・伊藤博文といったそうそうたる偉人が逗留したことでも知られている。
客室は、明治棟の萬翠楼/金泉楼と昭和棟に分かれており、いずれ劣らぬ居心地よさと当時の趣を感じることができるだろう。
また、温泉は湯治場としても有名な箱根湯本の中でも、珍しい自噴式の源泉を単独で管理している。湧出量は、少ない時であっても毎分100リットルを超え、成分のバランスにも優れた泉質から透明度も高く肌触りも抜群。その浸かり心地は、真綿にくるまれたようとも評されるほどである。
温泉上がりの楽しみ、食事は四季の素材を生かした心づくしの日本料理だ。桐・梅・竹と名付けられた食事処いずれかで、ゆっくりともてなしの献立を頂こう。