愛媛の県魚にも指定されているのが真鯛だ。愛媛県は真鯛の生産量国内トップを誇っており、養殖によるシェアも50%を占めている。もちろん、養殖だけではなく天然の真鯛も名産で、水揚げされる真鯛は徳島の鳴門鯛に並ぶ品質とブランドを持っている。
そんな真鯛を使って作る、愛媛県ならではの料理が鯛そうめんだ。古来より、祝いの席で振舞われてきた鯛そうめん。麺に鯛のすり身を練りこんだ料理……ではなく、丸のままの鯛を1尾盛り付け、その周りにそうめんと錦糸卵、シイタケといった具材を並べた郷土料理である。
鯛自体の味付けは作られる場所によってさまざま。この鯛の身をほぐし、麺と共に麺つゆで頂く。特に、松山で作られる鯛そうめんは名物だ。それぞれ、白・赤・黄・緑・茶という色とりどりの五色そうめんを用いる。
そして、この五色そうめんを作る老舗が1635年創業という森川だ。松山自動車道松山ICより、車でおよそ15分。
この森川の直営店が『郷土料理 五志喜』である。鯛そうめんは、「鯛そうめん(姿身)」と「鯛そうめん(切り身)」の2種類を提供。本来は10人前前後の量がある鯛そうめんを、1人分の量で食べられるのが嬉しい。
鯛そうめん以外にも、鯛茶漬けや鯛めしといったメニューを揃えている。愛媛の真鯛を存分に堪能できるだろう。