栃木県は、実は東京にも負けないほどのラーメン激戦区。関東エリアで、栃木のご当地麺といえば佐野ラーメンだ。群馬県や埼玉県、茨城県でも一部地域では提供されている佐野ラーメンだが、その発祥はその名前の通り栃木県の佐野市。
ラーメンの鬼として知られている佐野実氏が手がけるラーメンを佐野ラーメンと呼ぶこともあるが、2つには全く関連性はない。
佐野市では、現在200軒あまりの佐野ラーメン店が存在すると言われており、佐野市の観光協会が佐野ラーメン会を結成しているほど地元ではメジャーなラーメンだ。その特徴は、手打ち麺の中でも青竹を用いて打った麺を使用している点だろう。
この青竹打ちの麺は、麺内部にきめ細やかな気泡が入っており、茹で上りが早い。そのため、麺が持つ本来の弾力やコシを殺すことなく提供することができるのだ。
そんな佐野ラーメンの元祖として知られているのが、東北自動車道佐野藤岡ICより車でおよそ10分の場所にある『宝来軒』である。スープは豚骨や鶏ガラを用いたキレのある醤油スープ。ここに、青竹打ち手切りの麺が組み合わせられる。太く縮れた手切りの麺が独特の食感を生み出し、リピーターも続出の名店である。ラーメンの奥深さを感じられる名店だ。