茨城県と福島県との県境、久慈川の上流域は奥久慈と呼ばれている地域だ。日本三大瀑布(滝のこと)に選ばれている袋田の滝や大子・袋田温泉といった温泉地も存在している。
このエリアを訪れた際に是非とも味わっておきたいのが、奥久慈しゃもだ。しゃもとは、元々闘鶏用の鶏であり、江戸時代に現在のタイ(当時はシャムと呼ばれていた)より持ち込まれた。戦わせるための品種であるので、一般的な鶏と比べて脂身が少なく身は引き締まっている。日本の地鶏とは、また少し異なった歯ごたえを味わえるのだ。
さらに、奥久慈のしゃもはオスもメスも120日以上の期間を経て生育される。2ヵ月掛からず出荷されるブロイラーと比べると飼育にも手間が掛かるうえ、奥久慈のしゃもは純血種だ。国産の地鶏ですらブロイラーとの混血種が多い中、純血の鶏で飼育期間に100日以上掛かる種は希少である。
常磐自動車道那珂ICより車でおよそ1時間。『弥満喜』は、そんな奥久慈しゃもを堪能できる大小町の割烹だ。「しゃもすき鍋」や「しゃも鍋」が味わえるスタンダードなコースを始め、朝獲り奥久慈しゃもの卵を使った「奥久慈しゃも丼」、むね・もも・ささみを天ぷらで味わう「奥久慈しゃも天麩羅」など、奥久慈しゃも専門店ならではのメニューが並んでいる。全国の高級料理店でも使われている奥久慈しゃもを、現地で味わう贅沢を堪能しよう。