熊本県最南部に位置し、鶴の飛来地として有名な鹿児島県出水市と隣接する水俣市。そんな水俣市を流れる水俣川と湯出川の合流点にそびえる中尾山の中腹で、本格的なフレンチを提供しているのが『アージェ ひげのみせ』である。
九州縦貫道水俣出口より車でおよそ10分の場所に立地し、店舗までは山道を昇ることになる。中尾山自然公園へ向かう途中、たっぷりとひげを蓄えた人物が描かれた特徴的な看板が目印だ。
ひげの店がオープンしたのは昭和58年。現在の場所に場所を移したしたのは、平成4年7月のこと。
先代・米田眞也氏よりシェフの座を受け継いで、現在包丁を振るうのは2代目・米田武史氏だ。高校卒業後、山梨と箱根のホテルで腕を磨いて渡仏。作曲家・ブルックナーが定宿としたことでも知られているウィーンのホテルドフランスと、パリのラトリエ ドゥジョエル ロブションで修行を積むという料理人としては一流の経歴を持つ。
しかしながら、「こだわり過ぎないのがウチの料理」だと米田シェフは語る。そんな彼が生み出す料理は、本格的であるが気取らない。フランス料理だからといって、肩ひじ張らずに本場の味を楽しむことができるのだ。
ランチタイムには日替わりメニューに加え、人気の「カレーランチ」と「パスタランチ」を楽しもう。店内からは、備え付けのテラスからも水俣湾を一望できる絶好のロケーションで、平日/休日問わず多くのファンが詰めかける。ディナーコースも4000円~と、リーズナブルな価格設定なのも嬉しい。熊本で、“本物”を味わうならひげの店だ。