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【ボルボ XC90】ヒット作だからこそシンプルに。静かなる実力者

XC90は、ボルボのクロスオーバーSUVシリーズのフラッグシップとして2003年に登場し、2016年に2代目へとフルモデルチェンジを果たした。専用ボディに3列シートを搭載したフルサイズSUVであるXC90は、全てを刷新した次世代ボルボが送り出した第一弾でもあった。今回は、生まれ変わったボルボ XC90を紹介していく。

お国柄も大事な要素

エクステリアは、エレガントさを押し出した優雅なデザインを採用している。FFの横置きレイアウトながら、フロントタイヤからAピラーまでを計算しつくしたデザインでFR車と見間違うようなプロポーションを実現。

さらに、現代ボルボデザインのキャラクターアイコンとなっている北欧神話のトールハンマーをモチーフとしたヘッドライトのLEDと、大胆に縦ルーバーをあしらったグリルは、フロントフェイスに優雅さだけではない力強さをプラスしている。

2019年に実施されたマイナーチェンジ後は、フロントグリルとフロント/リアバンパーのデザインを変更。装着されるアルミホイールの造形も新しいものになった。

インテリアは、ボルボが北欧のメーカーなのだと思い出させてくれる温かみに溢れている。シンプルかつ実用性の高さとプレミアム感を感じさせてくれる、バランスの取れた室内だ。センターコンソールには、赤外線により手袋を付けていても操作可能な9インチのタッチスクリーンを搭載。タブレット端末を操作するように、エアコンやナビゲーション、エンターテインメントを直感的に操作することが可能だ。

さらに、プラグインハイブリッドモデルにのみ装備される、オレフォス社製のクリスタルシフトノブのデザインにも手が加えられ、本革及びパーフォレイテッドファインナッパレザーシートのカラーにグレーの新色が追加されている。

個性豊かなラインナップ

搭載されるパワートレーンは、全車で水冷の2.0L 直列4気筒エンジンに8速の電子制御付きATの組み合わせだが、ガソリン・ディーゼル・ハイブリッド・プラグインハイブリッドの4種類、グレード展開は5つと豊富なラインナップとなっている。

ラインナップ唯一のガソリンモデルがT6。最高出力320PS、最大トルク40.8kgmを発生させるターボエンジンを搭載。ガソリンエンジンモデルでは、優れたアクセルレスポンスとガソリンターボならではの高出力が魅力だ。

D5はクリーンディーゼルエンジン搭載モデルとなり、最高出力235PS、最大トルク48.9kgmを発揮。ハイブリッドモデル・B5は、最高出力250PS、最大トルク35.7kgmを発揮する。さらに、ボルボが”Twin Engine”と呼称するプラグインハイブリッドを搭載したモデル・T8は、最高出力318PS、最大トルク40.8kgmをスーパーチャージャーとターボチャージャーにより発揮するハイパフォーマンスなエンジンだ。これに、フロントとリアのモーターからのアシストを加えることで、システム出力合計は417PSとなる。次世代プラットフォームである「SPA」を採用したことにより、デザインの自由が高まったのはもちろん、ボディの軽量化、前後重量バランスの改善、燃費性能や安全性が飛躍的に高まった。

モデルチェンジで、より味わい深く進化

全長4,950mm×全幅1,960mm×全高1,760mmという巨大なボディの乗り心地は、いかにもボルボ的な味付けとなっている。スポーティさに振ったSUVがひしめいている昨今、XC90の乗り味からは、どちらかと言えばホッとするような温かみを感じることができるだろう。

新型プラットフォームの採用が乗り心地改善の大きな要因だが、正確性の高いハンドリング、軋みやロールを感じさせないボディ剛性、踊るように段差をさばいていくサスペンションは、ボルボの技術力の高さと熟成度合いが窺える。現行型XC90が、初代モデルからフルモデルチェンジを受けて、ようやくフラッグシップらしいおおらかさを手に入れたといっていいだろう。

ガソリンモデルならではの力強さと軽快さを秘めたT6、低回転域からあふれ出るようなトルクを感じさせてくれるD5、電動化だからこそ実現できる燃費性能とスムーズさを持つB5とT8。XC90には、さまざまな個性がある。

ジャーマン3のSUVラインナップは、確かに見た目で分かるハデさがある。しかし、ボルボが生み出したフルサイズSUV・XC90は、それに負けないほどの存在感と実力を秘めたモデルだ。

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