CAR

【CG】ジープのコンパスは現代人にとってちょうど良いモデルかもしれない

4×4ブランドとして、確固たる地位を築き上げてきたジープ。歴史を辿ってみると、そのルーツは1941年にデビューした軍用車両 WILLYS QUADにまで遡る。「どこへでも行ける。何でもできる。」をコンセプトに、SUVというジャンルの開拓者として世界中に多くのファンを持つジープは兵士たちのバディとして生まれ、時代の流れとともにアウトドアシーンになくてはならない存在になったのである。

時代のニーズにマッチしたカジュアルさ

現代、ジープのラインナップを見てみると、軍用車両としてのタフで無骨なシルエットを色濃く受け継いだ”ジープ・オブ・ジープ”ラングラーを始めとして、旗艦モデルであるグランドチェロキー、ミドルサイズSUVとして存在感を強めるチェロキー、フィアットと共同で開発され2015年に日本仕様が発表されたレネゲード。そして、今回スポットを当てるコンパスは、チェロキーとレネゲードの中間に位置すると同時に、”ベイビー・ジープ”のニックネームで呼ばれるレネゲード共にジープブランドのエントリーモデルとなる。

コンパスが日本への進出を果たしたのは2012年のこと。2016年にフルモデルチェンジを受けて現行モデルである2代目となった。

ジープが生み出したモデルであれば、タフな4輪駆動のイメージが強い。しかし、コンパスはそのイメージをいくらかカジュアルにし、軽量かつ燃費性能の向上が期待できるFFモデルを設定。本体価格も329万円~というリーズナブルな価格設定で存在感は抜群だ。2代目へと代替わりにするにあたり高められた質感は、コンパスを単なるジープの廉価モデルではないことを示している。

内外装は、エントリーモデルと侮るなかれ

初代コンパスは本体価格のお手軽さから、確かにエクステリア/インテリアの作り込みがあと一歩だったのは事実。だが、前述したように2代目になったコンパスからはジープの思いが伝わってくるような本気の作り込みが各所になされている。

フロントフェイスには、ジープのキャラクターアイコンである7スロットグリルが与えられた。グリルの長さ自体を抑えたことで、力強さとはまた違った洗練度を演出。横長で野生動物を連想させるヘッドランプとともに、ボディのワイド&ローを感じさせてくれる。

また、コンパスをデザインするにあたり、インスピレーションを受けたのはアメリカ空軍で運用されていた超音速・高高度戦略偵察機 SR-71ブラックバードだという。 繊細なボディラインは、最高速度マッハ3を叩き出しすジェット機をモチーフにしているのだから、アメ車的なスケールも大きい。その存在感はグランドチェロキーにも引けを取らないだろう。ボディサイズこそ全長4,400mm×全幅1,810mm×全高1,640mmだが、取り回しの悪さを感じるほどではない。コンパスは、都会に良く馴染む佇まいをしている。

インテリアは、近年のジープデザインらしいアスレチックさとプレミアムさが共存している。操作系の形状や加飾の使い方は、グランドチェロキーの流れを汲んでおり、欧州ブランドのSUVにも比類するだろう。

インパネ中央上部にディスプレイモニターを配置。モニター周辺のデザインはボクサーが頭部を守るために装着するヘッドギアをモチーフにしたという。

太目のステアリングホイールにはドライバーがしっかり握れる触り心地の良いレザーを採用した。その奥にはマルチディスプレイとなっているメーターが顔を覗かせており、クリアな視認性とカジュアルな雰囲気を感じさせてくれる。車内の雰囲気は、驚くほどカジュアルだ。アメリカの4×4らしいギラギラとしたワイルドさは希薄。しかし、それもコンパスの魅力の一つだ。「ジープはアメ車」という凝り固まった先入観をもって車内に乗り込むと、きっと驚かされることになるだろう。

ファミリーの中でも気軽な存在

パワートレーンは、販売地域によりばらつきがあるが、日本に導入されているのは全車で最高出力175PS、最大トルク23.4kg・mを発生させる2.4L 直列4気筒の自然吸気エンジンだ。

ただし、グレードにより駆動方式が異なる。受注生産のSport及び中間グレードとなるLongitudeは、前2輪駆動に電子制御式の6速オートマチックが組み合わせられる。Limitedではオンデマンド方式4輪駆動に電子制御式9速オートマチックだ。

コンパスの車両総重量は、マックスでも2トンに満たない。そのため、2.4Lのエンジンでも動力性能は充分過ぎるほど。FCAグループが保有するプラットフォーム・スモールワイド4×4アーキテクチャーの性能もあいまって、高速走行でも安定感は確保されている。6速または9速のオートマチックのダイレクト感も爽快で、悪路走破性の高さだけがジープブランドの本領ではないのだなと感じさせてくれるだろう。

コンパスは、ジープのブランドイメージを覆しかねない一台である。ヘビーデューティーなクロカンが欲しければラングラーに手を出せばいいし、より高級感が欲しければチェロキーやグランドチェロキーを選べばいい。コンパスは、そのカジュアルさがウリだ。ニーズによりすみ分けをハッキリさせた末に生まれた、渾身のエントリーモデルといえるだろう。

関連記事

  1. LEXUSの源流、伝統の欧州ブランドに比肩すべく挑んだトヨタの上…
  2. クルマで行きたい!栃木県で絶品お土産が買える店
  3. 日産の欧州戦略車 キャシュカイがモデルチェンジ マイルドハイブリ…
  4. 【トヨタ ヴェンザ】ハリアーの左ハンドル仕様としてカムバック
  5. 第3章 ホンダ初の4人乗り乗用車「Honda N360」誕生
  6. 【マツダ ボンゴ】歴史ある商用車シリーズが全面改良
  7. 第3章 機は熟した、駆動方式の大転換 前輪駆動小型車への挑戦、そ…
  8. 欧州にてC-HRにGR Sportが追加 2021年1月よりデリ…

おすすめ記事

  1. シントトロイデン 2021-2022シーズン ユニフォーム

Category



PAGE TOP