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【CG】進化を続ける現代の“ベイビー・ランボ”ウラカン

ランボルギーニが2014年に世に送り出したウラカンは、当時すでに大成功をおさめていた“ベイビー・ランボルギーニ”ガヤルドの後継となったスーパースポーツだ。

現代に蘇った伝説の闘牛

「ウラカン」とはランボルギーニのネーミングのルールに基づき、19世紀に活躍した伝説の闘牛の名が由来となっており、スペイン語でハリケーンを意味する言葉である。アヴェンタドール、ミウラなど、ランボルギーニが提供してきたスーパーカーの多くは牛の名前に因んだものばかりだ。これは、エンブレムのデザインに雄牛を起用していることからもその共通性が見て取れる。

ウラカンは、「コルサ・ストラーダ」というイタリア語が与えられたサーキットモードを搭載しており、サーキットでも優れたパフォーマンスを発揮する。搭載される5.2リットルV型10気筒のNAエンジンは、最高出力610ps/最大トルク57.1kg・mをひねり出し、前245/30R20後305/30/R20という大径のタイヤがあてがわれていることからもわかるように、ウラカンは単に“スポーツカー”と形容するにはもったいない1台だ。

そんなウラカンのデザインを手掛けたのは、フィリッポ・ペリーニである。ウラカンのエクステリアデザインにおいて特に象徴的なのはルーフデザインだが、これは日本の「折り紙」に大きな影響を受けたという。ランボルギーニらしい幾何学的なボディデザインが、日本の伝統芸能に支えられていたことは読者諸氏は意外に思うだろうか?

“ベイビー・ランボルギーニ”の後継である通り、実際のボディサイズは、全長4459mm×全幅1924mm×全高1165mmと比較的コンパクトだ。先代のガヤルドと比較すると全高自体は変わらないものの、全長と全幅については少し拡大されている。心臓部には先述のV型10気筒エンジンを搭載しており、駆動方式は従来の方式にならって4WDが採用されている。ただ、トランスミッションについてはランボルギーニ史上はじめての試みとして「デュアルクラッチトランスミッション」を採用するなど、現代的に仕上がっている。さらに、“ANIMA”と呼ばれるドライビング選択システムを導入。これは、走行モード統合制御機能の役割を担っており、総合的にクルマをコントロールすることができるのだ。そうした点で、ウラカンは確かに最新のランボルギーニなのである。

オープントップモデルからハイパフォーマンスモデルまで

このウラカンには多くのバリエーションが存在する。まず、ここまで紹介してきたベースグレードモデルのLP610-4に続いて、2015年に発表されたLP610-4 スパイダーは、ウラカンシリーズの人気の火付け役ともなったオープンモデルであり、本稿で多くのカラーバリエーションを提案しているモデルでもある。V10 NAエンジン独特の音色とオープントップの組み合わせが魅力的な1台だ。2016年には「LP610-4」をベースにしたアヴィオが登場。戦闘機をイメージしたデザインとなっており、限定250台のみの代物だ。黒を貴重としたレザーや六角形のレザー彫刻を施した内装は、アヴィオがはじめて導入している。

同様に、2016年はLP580-2が発表されている年でもある。LP610-4の前輪駆動を断ち切り後輪駆動とすることで、ピュアなスポーツカーとして愛されているモデルの一つだ。また、オープン・トップを採用したLP580-2のスパイダーも同じく登場している。

そして、LP 640-4 ペルフォルマンテは、従来のモデルに比べて40kgも軽い軽量モデルだ。走行性能向上に特化し、ドイツのニュルブルクリンク・サーキットでは6分52秒01のラップタイムを叩き出した。2018年には、LP 640-4 ペルフォルマンテ・スパイダーも発表されている。

2019年に突入すると、「EVO」が登場。ペルフォルマンテのエンジンを搭載しているほか、空力性能をさらにアップさせるためのデザイン工夫が施されたモデルである。また、2020年にはEVOの後輪駆動モデルとして、EVO RWDも発表された。

一口にウラカンと言っても、様々なモデルやバリエーションが展開されていること分かるだろう。

世界最強のポリスカー?

実は、イタリアの警察車両としてウラカン・ポリツィアが導入されているのをご存知だろうか。

ウラカンは最高325km/hに及ぶスピードを誇るため、並大抵のクルマでは逃げ切ることも難しい。

気になるデザインは、イタリア警察の公式カラーとなる「ポリス・ミディアムブルー」をベースに白いラインがあしらわれている。両サイドにはイタリアの国旗でお馴染みの3色ストライプを導入。淡いブルーの中にホワイトを加えることで、ウラカン特有の迫力が表現されていることが理解できる。

* * *

ガヤルドの後継車として、進化を遂げるウラカン。さまざまなモデルやバリエーションを展開しており、多くの人々に愛されるスポーツカーの一種だと言えよう。また、今後のさらなる変貌に期待していきたい。

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