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トヨタの懐刀、GRヤリスは「勝つため」に生まれたモデルだ

東京オートサロン2020にて、ついにGRヤリスがお披露目となった。同時に、グレード展開やスペック等も公開となり、2020年夏頃の販売を予定していることがアナウンスされた。

GRヤリスには、先行予約販売となるファーストエディションには、カタログカラーとして、4つのボディカラーが設定されている。スーパーホワイトⅡ・プラチナホワイトパールマイカ・エモーショナルレッドⅡ・プレシャスブラックパールの4色だ。今回は、それに加えて新たに100色のボディカラーを提案する。販売が開始されるまでの期間、さまざまな色を見ながら妄想を膨らませて頂ければ幸いだ。

【真のグローバルカーとなるための決意の名称変更】

モータースポーツに興味がある人にはなじみ深い名前だが、ヤリスと聞いてピンと来ない人も多いかもしれない。実は、ヤリスは完全なニューカマーではない。ありていに言ってしまえば、ヴィッツのことだ。

レクサスのRXが3代目になるにあたり、ハリアーとして国内販売向けのモデルとなったように3代目ヴィッツの海外向けの名称がヤリスだった、というワケである。

トヨタのコンパクトカーとしては20年続いたヴィッツの名前が無くなってしまうのはなんとなくさみしい気もするが、これはヴィッツがヤリスに名前を変えて、世界戦略車として群雄割拠のライバルたちを相手に戦う意思を示したということでもある。快く送り出してやるのが、ファンの心意気だろうか。

さて、ヤリスは2019年に発表。翌年の2020年2月に発売となっている。そして、販売開始の1ヵ月前に受注が開始されたのがGRヤリスだ。

もう一度言うが、ヤリスは完全御新規さんではない、冒頭で触れたように2017年からトヨタは世界ラリー選手権(WRC)に、ヤリスの先代モデルで参戦しているからだ。2020年シーズンには、既に新型となったヤリスWRCが用いられている。つまり、2017年からすでにヤリスは世界を相手に戦っていたのである。

【 GRヤリスの正体は、スパルタンなレースカーだ】

GRヤリスは、トヨタ・Gazooレーシング WRTが培ったノウハウを基に、誰もが安心して意のままに運転できるクルマとして生まれた。

アルミ素材のエンジンフード・バックドア・ドアパネルを採用し、ルーフパネルには軽量で高剛性のCFRP素材を用いており、さらに、足回りにも専用のチューニングが施されるほか、組み立てにも元町工場に専用のラインが設けられる。

また、さらなる動力・空力性能を手に入れるために、通常4ドアのボディを3ドアとしている点もポイントだ。

プラットフォームには、TNGAのスポーツ4WDプラットフォームを採用。WRCで実際に戦ってきた現場からのフィードバックを多く取り入れ、ヤリスのために再度鍛えなおしたという。その結果、高次元でバランスが取れた高剛性ボディと、最適化されたサスペンションジオメトリを手に入れている。

【圧倒的なパフォーマンスに膨らむ期待を背負う】

グレードは、ハイパフォーマンスモデルのRZ、CVTを搭載したRS、競技ベース用のRCのラインナップで展開。ユーザーの好みに合わせてチョイスできる形だ。

RZには、新開発の最高出力272PSを発揮する1.6L 直列3気筒ターボエンジンを搭載。6速のマニュアルトランスミッション iMTに、多板式のクラッチにより前後のホイールに掛かる駆動力を可変させるスポーツ4WDシステム・GT-FOURを組み合わせる。数値だけ見ても分かる通り、リッターあたり170馬力を叩き出す紛れもないモンスターマシンだ。

続いてRSには、最高出力120PSの1.5L 直列3気筒ダイナミックフォースエンジンが搭載される。ミッションには、速度域を選ばずにトルクフルな走りを実現するダイレクトシフトCVTを採用。パドルシフトにより、10速のミッション感覚を味わうことも可能だ。

最後のRCは、RZをベースに「走ること」以外のモノを徹底的に省いたストイックな競技用モデルだ。ベースモデルに比べ、車両重量の30kg削減に成功している。

2020年6月時点で、GRヤリスは日本のみならず海外でも予約が殺到しているという。受注件数は、すでに6000台を上回っているというのだから驚きだ。

なぜ、こんなに人気なのだろう。それは、もちろんヴィッツ時代からのファンも多いだろうが、それ以上にユーザーがGRヤリスに「類を見ない本格派量産スポーツ」としての可能性を見ているからではないだろうか。

80年代、コンパクトボディにパワフルなエンジンが組み合わされたクルマを好む”ホットハッチ”ブームが起こった。当時全盛だったスターレットやパルサー、シビックの名前を懐かしむ方も多いだろう。

確かにGRヤリスは、トヨタが量産車ベースのモータースポーツで勝つために生まれたホモロゲーションモデルとしての意味合いも強い。前述したように、恐るべきスペックを誇るGRヤリスだ、WRCのみならず様々なレースシーンで活躍してくれるのは間違いない。

しかし、それ以上に国内に再びホットハッチ旋風を巻き起こしてくれるのではと、期待せずにはいられない。

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