北陸自動車道金津ICより、車でおよそ15分。『つるや』は、明治16年にあわら温泉が湧出した翌年、明治17年に初代館主であった吉田間右衛門が湯治の温泉宿を開業したのが始まりだ。
時の流れ、芦原温泉の歴史とともに歩んできたつるやも、現在では5代目を数える。
大阪で数寄屋造りの名棟梁として名を馳せた平田雅哉が手がけた本館建物は、茶室・料亭風。昔ながらの日本の文化を、その趣と共に伝え続けている。
客室は、1部屋ずつそれぞれ趣が異なる設えだ。銘木を細かな部分に用い、侘び・寂びを表現する。特に、つるやが誇る特別室の「大観」は、かけ流しの内湯と露天、本間に加えて茶室も備わる。さらに、「観月」はかけ流しの露天風呂に岩をくり抜いた豪快な湯殿を備えた準特別室。贅沢なくつろぎの部屋で、ゆるりとつるやの世界観に浸ろう。
また、館内に3本もの源泉を保有しているつるや。豊富な湯量から、大浴場・露天・貸切風呂・足湯の全てを100%の天然温泉掛け流しで提供しているのも自慢だ。
料理は、地元産の旬をふんだんに使った創作懐石。仕上がった料理を一番美味しく頂けるタイミングで、1品ずつ部屋に運んでくれる。量の多さより質の良さにこだわり、日本六古窯に数えられる越前焼の焼き物や河田塗りの漆器を用いて目でも楽しませてくれる。月替わりの上品な献立を、部屋でゆっくりと。