メルセデス・ベンツから、新型SUV・GLBの日本市場導入が発表された。GLBは、GLAとGLCの中間を埋めるモデルとされ、メルセデスブランドとしては9モデル目のニューSUVだ。Gクラスを思わせるエクステリアデザインを引継ぎ、取り回しの良さを保ったギリギリのサイズを攻める。今回は、そんな期待のニューモデル・GLBのインテリアについて探っていこう。
Gクラス譲りのエクステリアが生み出す居住性
GLBのルーツは、GLAの兄弟として2019年の上海モーターショーで発表されたコンセプトモデル・GLBにある。メルセデスのラインナップにはAクラスが存在しているが、より車内空間を拡大させたモデルがBクラスにあたる。それと同様に、GLAを一回り大きくしたモデルがGLBである、という認識はあながち外れではない。
GLAをワンサイズ大きくして、Gクラスの流れを組む個性的なクロカンチックなボディラインが与えられたのがGLBというわけだ。
そのため、両モデルとも似ている部分はあるが、それ以上に異なる点が多い。3サイズでいえば、GLBの全長4,634mm×全幅1,834mm×全高1,706mmというサイズはGLAのそれより全長約20cm、全高約8cm拡大している。さらに、リアシートの居住性に大きく影響するホイールベースではおよそ10cmも延長されている。
また、今はやりのクーペスタイルは採用されていないことにも注目だ。ルーフを滑らかに傾斜させていくクーペスタイルは確かにスポーティで伸びやかな印象を与えるが、リアシートの居住性という点では一歩劣る。GLBでは、フロント/リアガラスを共に立たせたデザインを採用することでキャビンの室内空間にゆとりを生み出している。
3列7人乗りシートの使い勝手
GLBのインテリアで最大のトピックスは、3列目シートを装備していることだ。前述した通り、GLBの全長は4.6mを少し超えるほどしかない。全長5mを超えるフルサイズSUVにはカテゴライズされないため、3列目シートの空間自体はのびのび広々というほどでもないだろう。
しかし、それでも3列目シートの存在感は余りにも大きい。2列目シートの居住性が充分に確保されているのなら「ないよりも」「あった」ほうがいいに決まっている。さらに、2列目シートは前後に140mmのスライドを可能にする60:40分割可倒式シートを採用している。ということは、乗員の身体のサイズに合わせて、車内をカスタマイズできるということだ。
3列目へのアクセスのしやすさも考慮されており、3列目シートに乗り込む際は2列目シートバックに配置されているロック解除レバーを操作すればいい。ワンタッチで2列目シートが前方に倒れ込むので、乗り降りも苦にしない。
また、GLBは家族にも優しい。リアシートの全てにISOFIX対応の固定ポイントを備える。そのため、最大で4つのチャイルドシートを搭載することができるのだ。もちろん、3列目シートにもSRSウィンドウバッグを装備しているため、安全性の確保もバッチリだ。
ただし、安全上の理由からメルセデスは3列目シートの対応身長を168cmまでとしている。
当然、3列目シートまで備えるモデルなのだから、ラゲッジスペースも広大だ。リアシートを全て使用している場合では130Lだが、3列目シートを格納することで容量は500Lにまで広くなる。思い切って2列目シートまで倒してしまえば1,680Lという広大なラゲッジの完成だ。兄弟の新型GLAのラゲッジがマックスで1,420Lなので、GLBの積載能力の高さが窺えるだろう。
GLAより、力強さはワンランク上
インテリアデザイン自体は、現行型Aクラスのデザインを受け継いだ新型GLAとほぼ変わらない意匠となる。現代的な先進性を感じさせる造形は、まさにメルセデスらしい雰囲気を車内に生み出している。
先進性を強調するのが、横に長い大型のワイドスクリーンディスプレイだ。表示される内容はドライバーの好みによってカスタマイズすることもできる他、搭載されるインフォテインメントシステム・MBUXにより手を触れずにさまざまな機能を使うことも可能にした。
また、フロントシート左右に1つずつ、センターに3つ備わるエアコンの吹き出し口はジェットエンジンのタービンをモチーフにデザインされており、メカニカルな質感がたまらない。
インテリアでGLAと最も異なる点は、ダッシュボードのセンターやセンターコンソール、ドアに”抉り”を入れたようなデザインのアルミニウム調チューブデザインが採用されていることだろう。ヘアライン加工施されたチューブは、独特な力強さを演出している。
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新型GLB、価格はディーゼルでFFのGLB200dが521万円~、ガソリン4WDのGLB 4MATIC スポーツが696万円~となっている。ファミリーの中では比較的手ごろな価格設定といえるだろう。ラインナップで9モデル目となるSUV・新型GLBは、老若男女問わず人気モデルになりそうな実力を秘めている。