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米 GM キャデラックよりブランド初のEV リリックの詳細が公開 2022年後半より生産を開始

2021年4月21日、アメリカ ゼネラルモータースは、キャデラックブランドとして初めてのEVとなるリリックの販売価格まで含めた詳細を発表した。リリックは、米国での受注を9月より開始し、2022年後半より生産を開始する予定だという。

キャデラックが造るEVの基準

ゼネラルモータースが遠く海の向こうアメリカで、謎のEVの存在を明らかにしたのは2020年の8月のことだった。しかも、“あの”キャデラックブランドからEVが出るという発表に全世界が驚嘆したのではないだろうか。

このリリック、ゼネラルモータースが2023年までにデビューさせると公言している20にも及ぶEV。その先駆けとなる1台だ。つまり、リリックはキャデラックの将来の基準となるモデルなのである。

フロントフェイスには、美しいブラッククリスタルグリルを装着。このグリルはユーザーが近づくと、縦長のLEDシグネチャーランプが照明によって出迎えてくれる演出をしてくれる。「光」によって行う、リリックの挨拶といったところだろうか。この機能はリアでも同様で、スプリットテールランプがドラマチックに煌めく。

フロントフェイスこそインパクト抜群だが、エクステリア全体はいたってシンプルだ。リリックには最早、ドアハンドルすら装備されていない。代わりにあるのは、小さなスイッチ。これを推すことでドアが自動で開き、搭乗すれば自動で閉まる機能を搭載しているという。

キャデラックの贅沢さを詰め込んだ車内

インテリアは、キャデラックならではの贅沢さを凝縮したような空間となっている。対角33インチという目を見張るほど大きな最新LEDディスプレイを装備し、メーターを始めとするドライバーインフォメーション、インフォメインメント、カメラビュー機能を一手に担う。この大型モニターだが、キャデラックによると10億色以上を表示可能。現在の自動車業界が実現できる、最高レベルの画素密度を実現しているという。

さらに、リリックは車内の防音性能も進化している。マイクや加速度センサーを採用する新型のロードノイズキャンセリング技術を初採用。そもそも静かなEVだが、タイヤから伝わるロードノイズ、風切音、車体の軋みといった雑音を低減。これまでにない静かな運転を実現した。静けさは、高級車が持つべき重要なステイタスでもあるのだ。

また、EV専用新型アーキテクチャの採用により、パッケージングを再確認。ミニマルなデザインになったと同時に、車内空間を拡大した。バックライトが付いたスピーカーや湾曲スクリーン、照明機能など空間の演出にもぬかりない。

約480キロ走行可能なアルティウムバッテリーを搭載

リリックは、モーターをリアに配置したRWDをベースとする他、オプションとしてAWDも用意された。バッテリーフル充電時で、航続可能距離はおよそ480キロだ。

専用のEV専用アーキテクチャーとアルティウムバッテリーシステムを採用。このバッテリーシステムによって、バッテリーパック自体の配置を最適化。低重心化に成功し、50:50の重量配分によってドライバーの思うがまま、力強い走りも実現した。

コバルトを始めとするレアアースを、従来と比較して70%以上も削減したアルティウムバッテリーは、環境保護にも切り込んだ先端技術の粋だ。排気ガスを減らすだけでは、もう時代遅れなのかもしれない。

このバッテリーパックを生産するため、ゼネラルモータースはオハイオ州のローズタウンに300万平方フィートにも及ぶ巨大工場の建設を始めている。

投資額は日本円で2436億円。生産能力は、年間で30GWhだ。このことからも、ゼネラルモータースがEVという分野に掛ける意気込みが、ひしひしと伝わってくるのではないだろうか。

※ ※ ※

2022年後半より生産を開始するゼネラルモータースの新型EV リリック。デリバリーが始まるのは、もう少し先のことになりそうだ。販売価格は、日本円でおよそ650万円。競合となるジャガーのI-PACEやアウディのe-tronと比較すると僅かにリーズナブル。日本への導入は未知数だが、販売が開始されれば人気に火が付きそうなモデルである。

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