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【REVIEW】RAV4 PHVは燃費性能だけがウリではない

2020年5月29日、トヨタが米国においてRAV4にプラグインハイブリッドモデルである「RAV4 プライム」の追加を発表、6月8日には日本国内でも販売を開始している。海外名であるプライム(”prime”)とは、「最良」や「極上」を意味している。つまり、RAV4のラインナップに最高のグレードが加わったということだ。今回は、国内外から多くの注目を集めるRAV4のPHVモデルについて紹介していく。

RAV4が歩んだ歴史

RAV4の初代モデルが登場したのは1994年のことだ。1989年に開催された東京モーターショーに出展されたコンセプトカー・RAV-FOURを前身とする。

この頃のRAV4は、まだ全長も3.7m未満の文字通りコンパクトなSUVだった。コンセプトモデルの段階では、ジムニーやラングラーのようなクロカンスタイルだったが、市販モデルではよりカジュアルでライトな路線へスタイリングを変更。クロスオーバーSUVという単語が一般的でなかった時代に、乗用車感覚で使えるライトクロカンとして一躍大ヒットモデルとなった。

モデルチェンジを受ける毎に、多くのファンの心を掴み続けたRAV4だったが、4代目へとフルモデルチェンジを受けた2013年は、現在のように国内でSUVの人気に火がついていなかったことからRAV4は海外専売モデルとなってしまう。

しかし、4代目のデビューからおよそ5年の時を経て、現行型となる5代目へとモデルチェンジされるにあたり、遂に日本国内で復活する。プラットフォームをTNGAのGA-Kへと刷新。海外でも人気を博した本格SUVとしての実力を、日本国内で存分に見せつけることになったのである。

走りの良さこそ真の魅力

プラグインハイブリッドの追加により、RAV4は3つのパワートレーンから選べるようになった。2.0L 直列4気筒ガソリンエンジン・2.5L 直列4気筒エンジンにモーターをプラスしたハイブリッド、そしてプラグインハイブリッドだ。

中でも、トップグレードの位置づけとなるプラグインハイブリッドは、世間一般でいうところのいわゆる普通の”エコ”カーではない。しかし、もちろん、環境性能においてRAV4が劣っているというワケではないことを前提とする。

搭載されているPHVシステムは、プリウスPHVにも搭載されているTHS II Plug-inシステムを大幅に改良。リチウムイオン電池を始め、充電器・コンバーター・モーター・パワーコントロールユニットは新開発。もはや、THS II Plug-inシステムの”2号”と言えるだろう。

このシステム改良により、リチウムイオン電池の容量は2倍以上になった。この恩恵は大きく、電気のみを使用して走行するEV航続距離が大きく伸びている。例えば、プリウスPHVのEV航続距離は68.2kmだが、RAV4は95kmにまで伸ばしている。空力的にも車重的にも不利なSUVにおいて、この数値は大きな意味を持つ。燃費性能でもるハイブリッドモデルが20.6km/Lに対して、PHVでは22.2km/Lを記録した。

話は戻るが、RAV4のPHVは走行性能が大きな魅力の一つだ。新開発されたユニットを搭載するプラグインハイブリッドシステムは、最高出力306PSを発生させる。

通常のガソリンモデルとプラグインハイブリッドモデルの走りの面での大きな違いは、トルク発生の滑らかさにある。停止状態~アクセルの踏み出し、発進、加速に至るまでの全局面において発生する強烈なトルクは、ある意味どんなガソリンエンジンよりもストレスフリーなダイレクト感を味わうことができる。

装備面でも特別なPHV

RAV4 PHVには、最上級グレードに相応しい特別な装備が与えられている。フロントフェイスで専用装備となるのは、メッキパーツを採用したスタイリッシュなフロントグリルを始め、バンパー下部に装着されるロアモールだ。SUVの視覚的な”腰高”感を解消し、重心の低さと巨体に似つかぬ走りの良さを予感させてくれる。

ボディカラーは、PHV専用色となるエモーショナルレッドⅡを含め、6色での展開となる。さらに、PHVの最上級グレード BLACK TONEには専用カラーであるブラックとの2トーンを5色を用意する。ルーフ・サイドミラー・ボディ下部にブラック塗装を施すことで引き締まり感も演出してくれる。

インテリアもPHV特有の空間だ。ブラックを基調とする車内は、インパネ周辺から天井、はてはオープントレイに至るまでブラックでまとめられている。スポーティさを感じさせるステッチがシートやステアリングなど、各所に施されるのも特徴だ。

* * *

RAV4 PHVを詳しく見てみると、トヨタがかなり”本腰”を入れていることが分かる。与えられている装備だけを見てみても、ガソリンモデルやハイブリッドモデルとはもはや別の車のようにも見えてくるほどだ。走行性能良し、燃費性能良し、デザイン良しのPAV4 PHVは国内でハリアーと人気を二分するモデルになるかもしれない。

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