2020年6月25日、メルセデス・ベンツはSUVラインナップの一員として、GLBを追加した。GLBはメルセデスのSUVの中で最も新しい、7シーターの本格はコンパクトSUVだ。そこにはどんな魅力が隠されているのか、じっくりと解剖していこう。

ありそうでなかった7シーターの本格派コンパクトSUV

GLBは、メルセデスのSUVの代表格であるGクラスにインスピレーションをうけたスクエアなエクステリアデザインが特徴のモデルだ。コンパクトでありながら、高い悪路走破性を誇る本格派のSUVとして登場した。さらに、7人乗りが標準仕様となるなど、ファミリーにもピッタリだ。もちろん、悪路だけでなく、都市部での気持ちのいい走りを実現していることから、すべてを兼ね備えたと言っても過言ではない一台に仕上がっている。

ボディサイズは、全長4650mm×全幅1845mm、全高1700mmとなり、決して大柄ではないが、最低地上高202mmを誇るなどSUVらしいタフなプロポーションを持っている。また、エクステリアデザインは、スクエアなヘッドライトを採用し、サイドビューでは水平に伸びたルーフラインが強い印象を与える。さらに、フロントエンドとリアエンドが垂直に立っているのもSUVらしさを強調している。

インテリアは、スポーティーかつモダンな印象に仕上げられている。また、同時に発表された新型GLAと比較すると、インパネ部分はGLBのほうがよりSUVらしさが強調されている。

すでに、海外でも多くの人気を集める新型GLBは、日本の都市でも取り回しのよいサイズ感や、使い勝手のよさもあわせて、国内ユーザーにも人気を集めること間違いないだろう。

そんなGLBのラインナップは「GLB 200 d」と「GLB 250 4MATIC スポーツ」の2種類となる。価格は「GLB 200 d」が512万円、「GLB 250 4MATIC スポーツ」が696万円だ。国内への納車は、2020年7月頃を予定している。

先進技術を駆使した近未来の本格SUV

新型GLB 250 4MATIC スポーツには、四輪駆動システムの4MATICを搭載。ダイナミックセレクトのスイッチを操作することで、基本となる前後トルクの配分比を変更できるシステムだ。また、路面状況に応じて連続的にトルク配分比を変化させることにより、常に最適な駆動力を実現。これにより、オンロードの走破性・安定性やオフロードでの効率性を充実させることができるのだ。

また、エンジンにはガソリンの2.0リットル直列4気筒ターボを搭載。最大出力224PS、最大トルク350N・mを誇り、胸のすくような気持ちのいい加速を体験できるだろう。

安全運転支援機能は、メルセデス・ベンツの最上級セダンであるSクラスと同等のシステムを採用することで、ドライバーにかかる負担を大幅に軽減している。おもに、自動急ブレーキよる被害軽減機能、車線維持機能、斜め後ろにあたる死角となった車両と衝突回避を支援する機能など、あらゆる最先端技術を搭載した。万が一、走行中にドライバーが気を失うなどの事故が起こった場合に備えて、自動的に車線を維持しながら緩やかに減速・停止できる「アクティブエマージェンシーストップアシスト」も装備されている。

さらに、音声でクルマを操作できる「MBUX（メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス）」を完備。こちらは、人工知能による学習機能を駆使し、各ユーザーへの適正な個別対応能力を備えているため、クルマとドライバーまたは同乗者の一体感が生まれること間違いないだろう。言葉ひとつで簡単に操作できるため、運転中に集中できるのもうれしいポイントだ。

このように、GLBは本格的なSUVとしての表情を確立しながら、先進技術を搭載させたハイスペックなモデルとなっている。

＊　＊　＊

GLBは、メルセデス史上もっとも新しいSUVモデルだ。その悪路走破性能はもちろん、都市でも十分な走りを魅せつけるハイブリッドな1台として仕上げられている。また、車内は広々とした7人乗車仕様なので、ファミリー層にもマッチする。ユーティリティとデザイン、走りを兼ね備えた本格SUVとして、日本市場でも熱い視線が送られること間違いないだろう。