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『千と千尋の神隠し』に登場したアウディとは?

スタジオジブリが生み出した映画『千と千尋の神隠し』に、一台の車が登場する。映画の冒頭、主人公家族の自家用車として姿を現す、アウディ A4 だ。

A4といえば、アウディラインナップの中でも主力モデルとして位置づけられている。今回は、そんなA4がどのようなモデルなのか、劇中に登場する初代モデルと、現行モデルにスポットを当てて紹介する。

緻密に描かれるアウディ A4の姿

2020年6月26日から、「一生に一度は、映画館でジブリを。」をキーワードにして、『千と千尋の神隠し』を始めとしたジブリの4作品が、全国372つの映画館で上映される。

『千と千尋の神隠し』といえば、スタジオジブリが生み出してきた作品の中でもトップのメガヒット作だ。興行収入は、国内で放映された映画において歴代トップの308億円を誇る。これは、平成から令和と時代が変わった現在でも塗り替えられていない大記録だ。

物語は、主人公である千尋が両親とともに引っ越しの途中、奇妙なトンネルを通ったことで、八百万の神様が住む異世界へ迷い込んでしまう――という導入で始まる。その冒頭、新居への移動中に千尋の父親がハンドルを握る一台の車が登場するが、主人公を物語へ導くきっかけとなるその車こそ、アウディA4 セダンだ。リアルさを追求した絵作りで定評のあるジブリだが、ここで描かれる左ハンドルのA4は、殊更リアルに表現されている。

登場しているのは、B5系と呼ばれる初代A4だ。1994年に登場した初代は、当時のフラッグシップだったA8に続く次世代のモデルとして扱われた。

プラットフォームは、後にフォルクスワーゲン パサートにも採用されることになるB5を採用、さらに量産車では世界初となる独自のフルタイム4WDシステムであるクアトロを搭載しており、自動車の新機軸を築いたモデル、アウディ 80の事実上の後継として位置づけられる。

ベースとなるコンセプトを引き継ぎつつ、ブランド初となる1気筒/5バルブエンジンやMTモード付きオートマチックなど、さまざまな新機能を搭載。今日のアウディの成功を確かなものにした言われる80の後継として相応しい性能を与えられた一台だ。

アウディのクラフトマンシップを物語る

劇中に登場したのは初代モデルだが、現在では2015年登場の5代目へと代替わりしている。

グレード展開は、A4 35 TFSIをベーシックモデルとして、A4 35 TFSI Meisterstück・A4 40 TFSI Meisterstück、そしてクアトロシステムを搭載したトップグレード・A4 45 TFSI quattro Meisterstückの4種だ。

エクステリアは、アウディの主力モデルらしいスッキリとした精悍なデザインが与えられている。現在のアウディのキャラクターアイコンである、大型のシングルフレームグリルに加え、シャープなLEDヘッドランプは落ち着いた上品さすら醸し出す。もちろん、ヘッドランプにはアウディ自慢のLEDヘッドライト・マトリクスヘッドライトも装備可能だ。

ボディサイズは、全長4735mm×全幅1840mm×全高1430mmとなり、先代と比べて全長と全幅は15mm拡大、全高は10mm低められた。
また、クラムシェルデザインを採用していることで有名だが、これはアウディの技術力の高さを物語っている。その名の通り、ボンネットフードが「貝殻」のごとくボディに被さっていることからそう呼ばれるが、このスタイルはエッジの効いたラインを演出するとともに、圧倒的なクオリティを表現する。

以上から、A4はアウディが生んだ芸術品といえるだろう。

注目のミラーサイクルを搭載

現行A4のパワートレインには、パワーアップと燃費性能の向上が追求された新開発のTFSIエンジンを採用。また、35には1.3L 直列4気筒インタークーラー付きのターボエンジン、40および45には2.0Lの直列4気筒インタークーラー付きのターボエンジンを搭載している。

最高出力は150PS~252PS、最大トルクは25.5kgm~37.7kgmを誇る。トランスミッションは、従来のマルチトロニックに変わって登場した、デュアルクラッチ7段Sトロニックだ。

エンジン自体はいわゆるダウンサイジングターボで、FWDには新開発のミラーサイクルと呼ばれるユニットを採用している。低回転域でも力強いトルクを生み出し、発進時から既に軽快さを感じることができるだろう。街乗りで流すには余裕のあるエンジンも、回転域が上がればターボならではの爽快な加速を見せる。B9プラットフォームが生み出す剛性のお陰で、レスポンスの良さも充分だ。

* * *

『千と千尋の神隠し』に登場する初代A4は、宮崎駿監督作品『ルパン三世 カリオストロの城』に登場する黄色のフィアット500に並び、ジブリ作品に登場する車で代表的一台だろう。

現行モデルとなり、より進化したステアリングを握れば、千と千尋の神隠しで神様の世界へと迷い込んだ千尋のように、新しい世界が見えてくるかもしれない。

冒頭でも紹介した通り、2020年6月26日より、再びスクリーンで千と千尋の神隠しを楽しむことができる。劇場へ足を運んだ際は、映画冒頭で活躍するアウディ A4の姿をチェックしてみて欲しい。

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