長野県中部・塩尻市の名物といえば山賊焼だ。食堂や居酒屋では定番メニューとなっている山賊焼は、ワイルドなネーミングそのままに豪快な料理だ。
鶏のモモやムネ肉を1枚丸ごと薬味を効かせた醤油ダレにじっくり漬け込み、片栗粉を付けてカラリと揚げたもの。山賊「焼」というよりは山賊「揚」であるが、ご当地グルメなのだから郷に入っては郷に従え、だ。
名前の由来には所説があるものの、現在では塩尻市にある居酒屋山賊が発祥だから、という説と山賊は金品や食料を取り上げる、が転じて鶏揚げる(とりあげる)になったという説が定説だ。
地元・塩尻を中心として県内では一般的に食べられていた山賊焼だが、ご当地グルメに脚光が当たり始めた2000年代にブレイクし日本中に広まっていったという背景がある。
そんな山賊焼を味わうなら、やはり発祥とされている居酒屋『山賊』だろう。都内より車でおよそ2時間半、長野自動車道塩尻ICより約10分の場所に立地している。店の敷地内には、元祖山賊焼と掘られた石碑が建立されており、その歴史の深さを物語っている。
ここで食べられる「山賊焼」は、しっかり1日掛けてタレに漬けこんだニンニクが香る1品。外はサクサク、中はアツアツジューシーに仕上げられ、およそ400グラムほどもある特大サイズを1人で平らげてしまう人もいるほどだとか。
山賊焼単品でも大満足だが、おすすめなのは500円追加で払って定食にする方法。しっかり味の付いた山賊焼のお陰でご飯もモリモリ進むだろう。