2021年1月13日、ポルシェよりボクスターデビュー25周年を記念したアニバーサーリーモデルを1250台限定で販売することを発表した。同日より、予約を開始している。6速MTモデルが1,226万円、7速のPDKモデルが1,281万円で、3月末にはユーザーの元に届けられる予定だ。
ポルシェを救ったヒーロー
ボクスターが誕生して25年が経った。そのルーツを辿ってみると、元になったのは1993年に開催されたデトロイトモーターショーでお披露目されたプロトタイプボクスターである。
その後、市販車として1996年にデビューした初代986型ボクスターは、ポルシェファミリーの中でも初めて水平対向6気筒エンジンを積んだオープンの2シーターとなった。
水平対向の“Boxer”と、オープンカーであることを現す“Roadstar”を組み合わせてボクスターと名づけられたこのモデルは、デビューするやいなや若い層を中心に人気モデルに。当時、経営難に陥っていたポルシェを救った名車とも言われている。
その後、2004年・2012年・2016年と3度に渡るモデルチェンジが行われ、現行型は4世代目の982型718ボクスター。これまでに、累計375,000台以上が生産されている。今回発表された世界限定1250台のアニバーサリーモデルは、982型718ボクスターGTS4.0Lモデルがベースだ。
個性的なネオジムカラーがアクセント
ポルシェボクスターの記念すべきモデルの特徴の1つは、ボディの各部にアクセントとして採用されたブロンズカラーの一種であるネオジムだ。
このネオジムを、フロント及びサイドのエアインテークや専用デザインが与えられた20インチホイール、レタリングといった部分にアクセントカラーとして用いた。
ボディカラーには、1993年に発表されたコンセプトモデルを想起させるGTシルバーメタリックを採用。さらに、GTシルバーメタリックの他、ジェットブラックメタリックとカララホワイトメタリックも用意した。リアには、アニバーサリーモデルであること示すボクスター25バッジが与えられる。
また、パッと見ただけでは気が付かないような部分にまで手が入れられており、フューエルキャップも特別仕様。ポルシェが誇るエクスクルーシヴデザインの、ハイグロス仕上げのテールパイプと同じアルミニウムルックな塗装が施されるという。
インテリアはクラシカルなボルドーレッドに
エクステリアだけでなく、インテリアにもアニバーサリーモデルらしい特別な装飾が施される。目にも鮮やかなボルドーレッドのインテリアに、レッドのファブリックを用いたロードスタートップを組み合わせる。
このロードスタートップを見上げると、目に入るのはエンボス加工で入れられたボクスター25の文字だ。ボルドーレッドにシルバーの組み合わせこそ、ポルシェで最も伝統的なカラーリングである。伝統に縛られないのであれば、これらのカラーはボルドーレッドだけではなく、ブラックにすることも可能だ。
また、ダッシュボードとセンターコンソールのブラッシュ加工されたアルミニウムインテリアパッケージに加え、14の方向に調節可能な14wayスポーツシート、ボクスター25ロゴ入りドアトリム、ヒーテッド機能付きスポーツレザーステアリングが標準で搭載されている。
ハイパフォーマンスぶりもそのまま受け継ぐ
搭載されるパワートレーンは、ベースとなった718ボクスターGTS4.0よりそのまま引き継ぐ。4.0Lの自然吸気水平対向6気筒エンジンは最高出力400psを誇り、0-100kmを4秒で駆け抜ける。
このエンジンに、6速のマニュアルトランスミッションか7速のポルシェデュアルクラッチトランスミッションを組み合わせた。
オプションであるポルシェデュアルクラッチトランスミッションと、スポーツクロノパッケージの最高速度は182マイル(293km/h)にも及ぶ。
さらに、最高のドライビング体験を追求するため、車高をおよそ10mm下げてくれるポルシェアクティブサスペンションマネジメントスポーツサスペンションや機械式のリミテッドスリップディファレンシャルを標準で装備。優れた乗り心地の確保と共に、ハンドリングの良さも兼ね備えている。
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ボクスターがポルシェファミリーに仲間入りして四半世紀。ポルシェのメカニックたちからすれば、短かったのだろうか。それとも長かったのだろうか。それを知る由はないが、我々は素直にボクスターが25歳になった誕生日を祝うべきだろう。
世界限定で1250台という貴重なアニバーサリーモデルは、3月末には熱心なポルシェファンと対面することになる。