2020年9月30日、BMWは新型4シリーズ カブリオレを発表。先だって発表されている、4シリーズ クーペをベースとしたオープントップモデルとなる。市場に投入されるのは、来年2012年の3月からとなることが明かされた。
ハードトップからソフトトップへ変更
4シリーズのカブリオレはBMWのラインナップの中でも、エントリークラスセダンにあたる3シリーズをクーペスタイルにしたモデルとして生まれた。2012年にデビューし、オープンカーであるカブリオレが後に設定された経緯を持つ。
そのルーツは、1975年の初代E21型3シリーズの2ドアカブリオレ、1968年のモデル・2002であり、E39型3シリーズクーペの後継モデルに当たる。
今回のモデルチェンジ最大のトピックスは、新たに開発された電動開閉式のソフトトップが採用されたことだ。
従来型ではハードトップであった電動開閉式のルーフは、新型になるにあたり「パネルボウ」と呼称されるソフトトップのルーフへと変更された。このソフトトップは、格納式のハードトップとファブリックトップの良さを併せ持つ。
ファブリックトップは、なめされた本革のような質感を備え、なだらかなアーチ状のデザインとされた。ルーフ自体の軽さもポイントであり、ハードトップと比較しておよそ40%の軽量化に成功しているという。さらに、軽いことだけに特化しているわけではなく、静粛性や対候性も充分に確保している。
ちなみに、BMWのカブリオレを「コンバーチブル」と呼ぶのは、オフィシャルではない。BMWジャパンでは「カブリオレ」呼びで統一しているからだ。
さらにいえば、「オープンカー」という言葉自体が和製英語なので、もし海外でBMWの話題になった時、ドイツ人に笑われないようにしておくといいだろう。
縦型グリルのインパクトと新しいヘッドランプ
新型4シリーズ クーペが発表された時も驚いたものだが、新型4シリーズ カブリオレにも採用される縦長のキドニーグリルはやはりインパクト大。
2019年のフランクフルトモーターショーにBMWが出展したコンセプトM4にて、初めてお披露目となったこのグリル。1938年に登場、140km/hでの走行を可能とした高級スポーツモデル『328』をモチーフとしている。
フロントバンパー下部まで伸ばされたこのグリルには、バーではなくメッシュを採用した。機関部分の効率的な冷却を狙ったもので、表情豊かなフロントフェイスとスポーツ的な機能性を両立させたデザインなのだ。
フルでLEDを採用したヘッドライトはシャープな形状となり、オプションとして幻惑防止ハイビーム・アシスタント(BMWセレクティブビーム)搭載のアダプティブLEDヘッドライトの「BMWレーザーライト」を装着可能。
このオプションヘッドライトには、可変式コーナリングライトとアダプティブターニングライトも含んでいる。
BMWレーザーライトの機能は多岐に渡っており、時速60km以上での走行中はハイビームの照射距離を拡張し、照らす範囲を自動で検知する。デイタイムランニングライトはウインカーとしての機能が与えられた。
マイルドハイブリッド採用のV6ディーゼルエンジンを搭載
搭載するパワートレーンは、新型4シリーズ クーペをベースとした直列6気筒のガソリンおよびディーゼルエンジンに、マイルドハイブリッドを採用した。このマイルドハイブリッドでは8kW/最高出力11HPを発生させる48Vのスタータージェネレータ―を組み合わせる。
これらのユニットに、全車で8速のオートマチックトランスミッションを搭載し、xDriveモデルも設定されるという。
グレード展開は、ガソリンエンジンモデルとして2.0Lの直4搭載の420iおよび430i、3.0Lで直6エンジンにマイルドハイブリッドを搭載したM440i xDriveを設定。
一方、ディーゼルエンジンモデルでは2.0L 直4エンジンにマイルドハイブリッドを組み合わせた420d、3.0L 直6にマイルドハイブリッドの430d、3.0L 直6にマイルドハイブリッドの4WDであるM440d xDriveを展開する。なお、430dおよびM440d xDriveは2021年の3月より順次の導入となる予定だ。
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新型の4シリーズ カブリオレでは、太陽の光や自然の風を感じながら格別のドライブ体験をすることができる。ソフトトップになり向上したハンドリングの良さや、心地よく吹け上がる直列エンジンは、BMWのオープンモデルだからこそ味わえるものだ。“Freude am Fahren”を味わうのなら、まさにうってつけの一台が登場する。