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【CG】四半世紀の伝統が色濃く残るタイムレスなSUV

メルセデス・ベンツが誇るベストセラーカーとしても知られるGクラス。軍用車両として使われるオフロードモデルとして1979年に登場以来、現在もなお根強い人気を集めているモデルだ。今回は、このGクラスについて、徹底解剖していこう。

本格オフロードからラグジュアリーな表情へ

Gクラスの起源は、NATO(北大西洋条約機構)で使用されていた軍用車両のゲレンデヴァーゲンを乗用車としてアレンジしたものだ。このゲレンデヴァーゲンは、もともとも自動車メーカー「ダイムラー」の傘下にあるシュタイア・ダイムラー・プフ製で、エンブレムもスリーポインテッドスターではなく盾をかたどったものである。

そして、1979年に本格オフローダーとしてワールドプレミアされたのが、シュタイア・ダイムラー・プフとメルセデス・ベンツが共同開発した「メルセデス・ゲレンデヴァーゲン」 であり、モデル名は後にGクラスへと変更された。名前の由来は、ドイツ語でオフロードを意味する「ゲレンデヴァーゲン」の頭文字から取られている。

プロポーションや基本的な構造を変えることなく、四半世紀以上たった今もそのスタイルを大きく変えることのないまま世界中で愛されている。その後、時代を追うごとにメルセデス・ベンツの高品質な素材がインテリアデザインに採用され、そのキャラクター性も徐々に変化していく。オフローダーとしてのDNAを色濃く残しながらも、メルセデス・ベンツとしてのブランドを象徴するかのように、ラグジュアリーSUVとしての表情を確立していった。

エクステリアデザインは、時代と共に進化を遂げる一方、ルーツを物語る無骨な伝統デザインが今もなお残されている。例えば、ヘッドライトには丸目が使用され、フロントの3本グリルにはスリーポインテッドスターがあしらわれている。そして、せり出したフェンダーアーチによって、よりGクラスの威厳を引き立てているだろう。

スタイリングこそ大きく変わらないが、2018年にはほとんど全面改良といっていいほどのリフレッシュが施されており、機構面では現代的なクルマとなっている。そんなGクラスの最新モデルのスペックを確認していこう。中心モデルのG550は、ボディサイズは全長4817mm×全幅1931mm×全高1966mm。そして、パワートレインには最高出力は422PSを発揮する4リットル V型8気筒ツインターボチャージャー付エンジンに9速ATを組み合わせる。しかし、これはあくまでベースグレードに過ぎず、3リットルディーゼルエンジンを搭載したG350や、メルセデス-AMGによって585psまで最高出力を高められたG63もラインナップされていることは付記しておきたい。さらに言えば、歴代のモデルを見ると後述のように非常に多くのバリエーションが存在するのもGクラスの特徴である。

GクラスがGクラスであるための進化

Gクラスはその歴史の中で度重なるモデルチェンジを遂げている。その出発点となるのが、1979年に登場したW460型だ。これにはショートホイールベースとロングホイールベースの2パターンが用意されており、コンバーチブルモデルも存在する。また、ATとMTの両方を採用していることから、当時から幅広いユーザーニーズに対応していることが見て取れる。

続いて、軍仕様のモデルとして誕生したのがW461型とW462型だ。当時は、乗用車だけでなく軍用車両も同時並行で生産されていた。W461型はボディのみ乗用車向けのつくりとなっており、内部については電圧24Vの設定や副変速機による2輪/4輪走行の切り替えといった軍用の仕様になっている。W462型はギリシャの軍用車メーカー向けに生産されたモデルである。

1999年には、W460型のDNAを引き継いで生まれたW463型が登場する。W463型ではラグジュアリーSUVとしての頭角をあらわし始め、後にメルセデス・ベンツ史上に残るロングセラーモデルとなった。度重なるマイナーチェンジは行なわれるも、その基本を変えずに2018年まで長きに渡る販売が継続されたモデルである。

そして、2018年以降の現行モデルでは、型式こそW463型を引き継いでいるものの、ほぼ全面改良と呼べるほど基本構造から見直しが図られたモデルが誕生した。プロポーションはこれまでの伝統を頑なに守り続けながら、40年に渡り受け継がれた設計方法を一新。従来モデルから流用した部品は、ドアハンドルやスペアタイヤカバーなどわずかである。一見、これまでのGクラスと変わらないものの、それ以外はまったく別物のクルマと言っても過言ではないだろう。

数ある名作映画の中でベンツGクラスが大活躍

Gクラスは、数ある映画の中で何度も起用されている。中でも、代表的なのがジュラシック・パークシリーズ4作目となった『ジュラシック・ワールド』だろう。作中には、日本市場に数量限定で導入されたG63 AMG 6×6モデルが登場する。また、メルセデス・ベンツ自体がジュラシックパークシリーズと深い縁があり、GLEクーペやトラック、バンなども同様に登場する。

続いて、2013年に公開された「『ダイ・ハード・ラスト・デイ』には、計14種類にも及ぶメルセデス・ベンツのモデルが登場する。その中に、Gクラスも含まれているのだ。実際に、作中で起用されたモデルが2代目ゲレンデヴァーゲンとなる463型だ。メルセデス・ベンツは、この作品のために無償でGクラスを提供したという裏話もある。

実は、国内映画でもGクラスが起用されている。その作品が、福山雅治演じ『SCOOP!』だ。作中では、W460型 230GEが登場する。

このように、あらゆる作品の引き立て役として、Gクラスが起用されている。どの作品も、Gクラスさながらの無骨なスタイルを活かし、作中で大暴れする姿が最大の見どころと言えるだろう。

* * *

Gクラスは、長きにわたる歴史の中で気づかれた伝統を受け継ぎながらも、時代に合わせてマイナーチェンジを遂げている。2018年には、これまでの常識を覆すほどの改修を遂げるも、お馴染みのエクステリアデザインは現在も語り継がれている。本格オフロードとしてスタートを切り、ラグジュアリーSUVとして表情を変えていくその姿は、今後もこのカテゴリーを牽引していくことだろう。

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