英国マツダよりマツダMX-5のリミテッドエディション、スポーツベンチャーが登場することが明らかにされた。いくつかの専用装備を与えられたマツダMX-5の限定モデルは、英国内にのみデリバリーされ、160台限定の販売となる。
ライトウェイトスポーツの草分け的存在
マツダMX-5。聴きなれないモデル名だが、これは海外での名称だ。日本国内での名称は、お馴染みマツダ・ロードスター。初代モデルが登場した1989年以来、世界中のあらゆるメーカーに衝撃を与え、昨今のライトウェイトスポーツカー人気の立役者である。
2016年には生産累計台数100万台を突破しており、2004年の生産累計台数53万1890台を突破した際には世界で最も生産された2人小型オープンスポーツカーとしてギネスブックにも認定されている。このワールドレコードは現在でも破られていない。
年を経るごとにさまざまな改良が加えられてきたマツダMX-5は、現在4代目のND型と呼ばれるモデルだ。マツダの新世代技術であるスカイアクティブテクノロジーとデザインフィロソフィーである「魂動(こどう)-Soul of Motion」を引っ提げて、2015年にデビューした。
ロースタイルで台形、地面を這うように走るボディにはアルミ材やハイテンションスティールを70%以上も使用し、剛性の向上と大幅な軽量化に成功。マツダが掲げる人馬一体をコンセプトに、車と一体になって走れる思いのままのハンドリングと爽快な加速を生み出している。
リミテッドエディションらしい特別装備
マツダMX-5ファミリーに新しく加わるマツダMX-5 スポーツベンチャーは、マツダMX-5のスポーツをベースとしている。
いくつかの特別装備が与えられ、グレーのファブリックフードとシルバー塗装のドアミラーに非常にマッチするディープクリスタルブルーマイカペイントのボディカラーを身に纏う。足元に目を落とすと、16インチアロイホイールが。8スポークのホイールは、それだけでマツダMX-5 スポーツベンチャーの俊敏さを引き立てる。さらに、LEDのヘッドランプも標準で装備。
インテリアにおいては、ライトストーンナッパレザーを始めとして、ヒートシーター機能に7インチのインフォテインメントシステム、プレミアムボーズステレオシステムも全て標準装備だ。
また、搭載するパワートレーンはベースとなったスポーツと同じく、最高出力132ps/最大トルク152Nmを発揮する1.5Lの自然吸気4気筒ガソリンエンジンだ。これに、6速MTを組み合わせる。
価格を抑えた本格派だからこその存在感
マツダMX-5 スポーツベンチャーは、4世代ND型で初めて登場したリミテッドエディションというわけではない。実は、2014年に3世代NC型にも存在していた。
今回のND型スポーツベンチャーは、先代をリスペクトしたモデルということになる。それだけ、このマツダMX-5というモデルの人気っぷりが伺えるのではないだろうか。
マツダMX-5 スポーツベンチャーは、すでに販売が始まっている。販売価格は、27,615ポンド(日本円でおよそ414万円)から。
BMWのZ4が690万円、ベンツのSLCロードスター(ファイナルエディション)が610万円、ポルシェの718ボクスターが768万円からということを考えると、価格もかなりリーズナブル。いや、価格以上の価値があるモデルだといえるだろう。
マツダのブランドアイコンとして、30年以上にわたり走る喜びを顧客に提供し続けてきたMX-5は、マツダラインナップの全モデルの良さを凝縮した1台だ。そんな極上が、こんなに身近にあるとすれば、これほど嬉しいことはない。
※ ※ ※
英国限定160台のみ販売されるマツダMX-5の特別仕様車スポーツベンチャー。残念ながら、日本国内でその姿を見ることはない。何らかの形で、国内でもND系の特別仕様車が発表されるかもしれないが、早くても4年後の2025年になるだろう。なぜなら、4代目がデビューしてちょうど10年を数えることになるからだ。しかし、その前にフルモデルチェンジが行われる可能性もある。我々は英国から遠い島国から、それを待つことになる。今は、とにかく世界一のライトウェイトスポーツカーに敬意を表しようではないか。