CAR

【フェラーリ ポルトフィーノ M】ハイパフォーマンスモデルが追加

フェラーリが、ニューモデルとなるポルトフィーノMをデジタルでワールドプレミアした。日本国内で2018年に発表されたポルトフィーノに大きな改良を施した、ハイパフォーマンスモデルである。

ファクトリー稼働再開後、初のニューモデル

フェラーリからニューモデルが発表されるのは久しぶりのことだ。新型コロナウイルスの影響で、2020年の3月14日よりマラネッロとモデナのファクトリーが稼働を停止。生産を開始したのは5月8日のことだった。2ヵ月に渡る工場の閉鎖は、長い歴史を持つフェラーリにとっても初めてのことだ。

モデル名のポルトフィーノとは、地中海を一望する世界的にも有名な観光スポットに由来する。

デビューしたのは2018年のことだ。2009年に販売を開始、2017年初夏に受注を終了したカリフォルニアを全身とする、2+2シーターのオープントップモデルである。

今回発表されたポルトフィーノMは、フェラーリ自身にとっても「再発見の旅」のシンボルとなる存在であるという。

同時に、「M」は“Modificata=Modify”を示し、フェラーリのラインナップでは伝統的によりパフォーマンスを高める改良が施された一部の特別なマシンに与えられてきた称号であると共に、王冠にも等しいものだ。

エアロダイナミクスをどこまでも追い求めて

ポルトフィーノは「M」になるにあたり、エクステリアにも新たな変更が加えられた。元々ラウンドアップ形状の特徴的なフロントバンパーだったが、空気の流入を目的としたエアインテークが大胆に掘り込まれた。

フェンダー前部には切り込みも加えられ、ボディサイドにまで繋がったフェンダー後部エアベントと共にエアロダイナミクスを追求する。ビジュアル面でも強烈なインパクトを生み出すこのデザインは、ポルトフィーノMの性能をアピールする役割も担う。

また、リアにおいてはエグゾーストシステムを新たにデザイン。テールをコンパクトにした結果、リアバンパーは絞りの効いた躍動感ある形状に進化。ディフューザーをバンパーより分割することで、立体感を演出している。

さらに、ホイールも新デザインとなった。従来のポルトフィーノは2×5のツインスポークタイプを装着していたが、「M」では切削によりねじれを表現したダイヤモンド仕上げのシンプルな1ピースのコンケイブスポークホイールとなった。昨今の新型車は純正ホイールですらデザインが優れていて、ため息すら漏れそうになる。

インテリアは先進的に

インテリアは、より現代風になった。

ざっくりいえば、大きなタッチスクリーンが採用された――ということである。これを可能にしたのが、ダッシュボードの設計見直しである。

上下の間隔を広げ、下半分のサイズを絞った。センターにはアルミニウム製のブレードを水平に配置し、その上にインストルメントパネル・空調の送風口・サイドシートディスプレイを設置。その他の操作系をまとめてコンパクトにすることで、10.25インチのタッチスクリーンはかくしてポルトフィーノMに組み込まれたのである。

このタッチスクリーンでは、各種インフォテインメント機能の操作が可能だ。ダッシュボード中央に設置されているため、ドライバーからもパッセンジャーからも用意に手が届く。

こんなことを気にするフェラーリオーナーがいるかは不明だが、静電容量式なので、機械的な劣化も少ないのが嬉しい。もちろん、Apple Car PlayとGoogle Android Autoにも対応している。

2+2シーターであるポルトフィーノMであるから、リアシートの居住性も見直されることとなった。シートのパッド密度を変更し、シートバックを薄くした。これにより、後部座席の快適性も確保。ベンチレーション機能やネックウォーマーの装備も可能であり、コクピットだけがポルトフィーノMのメイン会場ではないのだなと思わせてくれる。

ベースモデルより20PSアップしたV8ツインターボ

搭載されるパワートレーンは、3.9LのV型8気筒ツインターボエンジンだ。最高出力620PSを発生させる。ベースモデルと比較すると、20PSのパワーアップだ。これにより、ポルトフィーノMは、0-100km/h加速3.45秒。最高速度は320km/hと、途方もないスピードを手に入れた。

タービンのレブリミットも5000rpm/毎分引き上げられており、燃焼室の充填も最適化。GDFと呼ばれる特殊なフィルターを採用することで、フェラーリらしさを損なうことなく欧州で最も厳しい大気汚染基準であるユーロ6Dにも適応している。

これらのユニットに、従来7速であったトランスミッションに代わり、新開発された8速のデュアルクラッチトランスミッションを搭載する。ギアに合わせてリアルタイムにトルク伝達量を調整するバリアブル・ブースト・マネジメントを採用することで、加速の力強さと共に環境性能も両立することに成功した。

※ ※ ※

詳細が明らかにされたポルトフィーノMだが、販売価格などはまだ分かっていない。しかし、ポルトフィーノが本体価格2530万円~であるから、それ以上になることは想像に難くないだろう。

恐らく、日本に先駆ける形で欧州や中国市場への投入になるだろうが、国内でポルトフィーノMのステアリングを握ることができるようになるのは、そう遠くない未来だろう。

関連記事

  1. 【ヒュンダイ パリセード】究極のファミリーカーを目指した主力SU…
  2. クルマで行きたい!栃木県で絶品お土産が買える店
  3. 【メルセデス・ベンツ】7シーターの本格派コンパクトSUV GLB…
  4. 第4章 国産初のリアル・レーシングカー「R380」
  5. 【ルーシッド エア】期待の新型EVの詳細が公開 2021年よりデ…
  6. 【日産 キックスe-Power】快適性とプレミアムな質感にこだわ…
  7. 【アウディ RS3】登場、A3のトップモデルが2年ぶりに日本復帰…
  8. ほぼ10年におよぶ準備・開発期間を経てデビューしたホンダのピュア…

おすすめ記事

  1. シントトロイデン 2021-2022シーズン ユニフォーム

Category



PAGE TOP