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日本のサーキット変遷史Vo.6~ツインリンクもてぎ編~

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ツインリンクもてぎは、栃木県の芳賀郡茂木町にあるサーキットだ。ホンダが作った鈴鹿サーキットに続く国内2つ目のサーキットとして、1997年にオープン。ロードとオーバル、2つのコースを併設する珍しいレイアウトとなっており、サーキット以外にもさまざまな施設を擁している。今回は、そんなツインリングもてぎの歴史を紐解いていく。

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2種類のコースを融合させたサーキット

1988年末、ホンダが世界のモビリティカルチャーの発信地となるべく、「モビリティワールドもてぎ構想」を発表した。1991年には運営を行うために、株式会社鈴鹿サーキットと本田技研工業株式会社が共同出資。株式会社ホンダモビリティワールドが設立されたことから全ては始まる。

アメリカのナスカーレースを視察。その影響を強く受け、当初とオーバルコースの導入に積極的だった。

しかし、単純なロードコースではなく未来のために多くの選択肢を備えた施設こそ、真に求められるものだという結論に至る。その結果、オーバルコースとロードコースを融合させたサーキットの建設が決定。施設名も、「ツインリンクもてぎ」に改められることとなった。

このツインリンクとは、英語の“twin”とドイツ語の“ring”を合わせた造語だ。投資総額は430億。敷地面積は640ヘクタール。ハブ空港の建設にも迫るほど、かつてない規模の大工事となった。

1995年、1月年頭の社長記者会見の場において、ツインリンクもてぎの具体的な計画が発表された2年後。1997年7月には、第1期の工事が完了。全長およそ2.4キロのスーパースピードウェイと全長4.8キロのロードコースを始め、全13の設備がお披露目された。

ギャラリーを巻き込む体験

ツインリンクもてぎ初となる大きなイベントが、1998年3月開催のCARTチャンピオンシップ・シリーズ バドワイザー500だ。

フォーミュラカー(オープンホイールとも呼ばれる)を用いた4輪レースであったCARTは、アメリカを中心に行われていたレースである。

このレースでは、シリーズに参戦していたドライバー達が全員出場しており、決勝ではなんと5万5,000人にも達するギャラリーがレースの行方を固唾を飲んで見守っていたという。

トップスピードが300km/hにもなるCARTマシンから聞こえるエンジン音とエグゾーストも観客を興奮させる要因となったのは間違いないが、従来の国内レースと決定的に違ったのはドライバー達のファンサービスであった。

写真撮影やサインにも気軽に対応し、朗らかな笑顔を湛えて握手に応えた。ツインリンクもてぎが掲げる、人と人との出会いや結びつきが実現した瞬間でもあったのだろう。

さらに、同年11月にはナスカー サンダースペシャル モテギ コカ・コーラ500が開催。このレースは、アメリカ国内ではCARTと並んで高い人気を誇るレースだ。

サーキット建設の構想時、「お手本」となったナスカーもまた、ファンとレーサーの距離が近く感じられるレースであった。

そんな流れの中で、モータースポーツのファンたちに楽しんでもらうことが最優先である、という考え方が定着していったのである。

※ ※ ※

2003年には母体であるホンダがCARTから撤退、インディカーシリーズへの参戦を表明したことを受け、ツインリンクもてぎでもインディカーシリーズ・ブリジストン インディー ジャパン 300マイルが開催された。

広域活性化のためのイベント、いわば「お祭り」的なイベントとして大成功。2005年の第3回時には、宇都宮市を中心としたプレイベント実行委員会まで発足している。

現在でも、モータースポーツ文化の振興と発展のため、多くのイベントを行っているツインリンクもてぎ。オートバイによる7時間耐久レースの「もて耐」や4輪版のもて耐である「JOY耐」など、数々のイベントを開催している。

多くの人々の尽力と情熱によって生まれたツインリンクもてぎ。多くの人々の交流の場ともなっているこのサーキットは、ホンダが未来に向けて贈ったプレゼントなのだ。サーキット以外にも家族で遊べるレジャーやグランピング施設、ホテルなどさまざまある。

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