スパイ映画の金字塔『007』の新作公開を記念して、劇中で使われたアストンマーティン DBSスーパーレッジェーラを再現した特別仕様車を発売すると発表した。世界限定25台で販売されるこの特別なモデルは、本体価格27万9025ポンド(日本円でおよそ3900万円)からとなる。
ボンドカーを再現するために
DBSスーパーレッジェーラは、アストンマーティンのラインナップでもフラッグシップにあたるモデル。今回、シリーズ最新作となる『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』の公開を記念して製作された007エディションは、劇中に登場する仕様を再現したものだ。
ジェームズ・ボンドに代わり、ダブル・オーの称号を持つスパイ、ラシャ―ナ・リンチが駆るモデルとして活躍するという。ボンドカーとなった姿を再現するために、007エディションには多くの特別な装備が与えられている。
ボディにはスペシャルカラーであるセラミック・グレイが採用され、ルーフをはじめとしてミラーカバーやスプリッター、ディフューザーなど、ボディの至る所にマテリアルとしてカーボン素材が用いられている。
さらに、足元には専用デザインとなったダイヤモンド旋削とグロスブラック仕上げが施された迫力満点の2×5のコンケイブY字スポークの21インチアルミホイールを装備する。
また、007エディションをよりアピールするため、フェンダーにはブラックエナメルを用いたクロームのエンブレムが取り付けられ、リヤのスポイラーブレードにはステンレススチールシルバーで「007」が箔押しされる。
インテリアはスパイのスーツを連想させるコーディネイト
アストンマーティン DBSスーパーレッジェーラ
インテリアはDB11がベースだが、メーターフードやメーターがDBSスーパーレッジェーラ専用デザインとなっている。D字型の形状をしたスポーツプラスステアリングホイールも個性的だ。
車内は漆黒のスーツを連想させるダークカラーでコーディネイトされ、ヘッドレストと一体になるようデザインされたレザー仕上げのスポーツプラスシートには、アクセントとしてレッドのステッチが施される。
さらに、ドアカードやアームレストバックル・バッジやサブウーファーのカバーには「007」のロゴを装着。ドアのシルプレートにも刻印が施されることで、007エディションであることを強くアピールする。
フラッグシップとしての性能は折り紙付き
このスーパーカーがアストンマーティンのフラッグシップである、ということについては前述した通りだが、素性について触れておかなければならない。
現在、アストンマーティンのラインナップは、GT/スポーツ/スーパーGTと、3種類に分けられる。DBSスーパーレッジェーラはスーパーGTにカテゴリされ、ヴァンキッシュSの後釜として2018年にデビューした。
車名に用いられているスーパーレッジェーラとは“超軽量”を指し、いうならばDB11を軽くして高性能にしたモデルということになる。
搭載されるエンジンは、最高出力725PS/最大トルク900Nmを発揮する5.2L V型12気筒ツインターボエンジンであり、DB11と比較すると117PSの出力アップが図られている。一方軽さの面ではボディを構成するパーツに採用するマテリアルに、カーボンやアルミを採用することでおよそ70kgのダイエットに成功した。
これにより、DBSスーパーレッジェーラは最高速度340km/hの俊足と、0-100km/h加速3.4秒というフラッグシップに相応しいパフォーマンスを獲得している。
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2020年8月17日より販売が開始されたDBSスーパーレッジェーラ 007エディションは、2021年の上半期をめどにデリバリーが開始されるという。運のいい25名の購入者の中には、本物のMI6諜報員がいるかもしれない――そんな妄想さえ湧いてくる。
DBSスーパーレッジェーラが活躍する映画『007ノー・タイム・トゥ・ダイ』は2020年11月11日より公開だ。ぜひ、劇場で漆黒のDBSスーパーレッジェーラが活躍する姿を見ていただきたい。