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【CG】帰ってきた侍、新型ジムニーの魅力とは

その侍は1970年に生まれた。

初代 ジムニーは軽自動車初の本格四輪駆動オフロード車としてデビューし、2020年現在で50周年の節目の年を迎える。ジムニーは、一般的な多くのモデルと異なり、モデルイヤーが長いのが特徴だ。初代は11年、2代目は17年、そして先代となる3代目は20年間もの間、同じモデルが引き続いている。そのジムニーが4代目となるのだから、耳目を集めるのは必然だろう。

今回はそんな新型ジムニーの魅力に迫る。

我が道をゆくジムニー

4代目となったスズキのJB64型ジムニーが順調に販売台数を伸ばしている。

デビュー当初より大きな注目を浴び、国産車では異例とも言える1年以上の納車待ちが続いてたジムニーは、2020年となったいまでも納車までに1年程度を見込まなければならないという。もちろん、新型コロナウイルスによる生産・物流の遅延といった要因もあるのだろうが、日本国内はもとより海外での需要も高いなど、スズキの見込みを大きく超える反響があったことは間違いない。

コンパクトでありながら本格的なオフロード性能を持つという点で、たしかにジムニーは競合がほとんどいないとも言えるが、これほどまでに注目を浴びる理由はそれだけなのだろうか?

その点を頭に入れて、まずは新型ジムニーのエクステリアを、3代目にあたるJB32型と比べてみよう。

シリーズの中では比較的丸みを帯びたデザインだった3代目ジムニーのボディは、4代目にモデルチェンジするにあたって、初代のような箱型へと原点回帰した。これは現在のカーデザインのトレンドにおいては、真逆へと突き進むことを意味する。燃費効率を考えると、可能な限り流線型に近づけたほうが合理的というのがセオリーだからだ。

また、SUV自体はいまのトレンドであると言えるが、現在市場にあるSUVのほとんどは「クロスオーバーSUV」と呼ばれる、乗用車をベースにSUVルックに仕上げたものである。一方のジムニーは、ラダーフレームという本格的なSUVの構造を持っている。クロスオーバーSUVのメリットは少なくないが、悪路走破性能という点においては、ジムニーのようなラダーフレーム式のSUVのほうが、勝っているとされる。

直線的なデザインと、コンパクトでありながら本格的なSUVとしての特徴をもつ、この2つの特徴だけでファンの心をつかむのにはじゅうぶんだったと言える。

ジムニーは質実剛健な「サムライ」だ

そんな新型ジムニーのデザインコンセプトは、「無事帰ってこられるように」だという。果たしてそれはどういう意味なのだろうか。

角度を立てたAピラーは視界の確保に繋がり、サイドウィンドウには雪が積もらないようになっている。内側にひとつ入り込んだヘッドライトは、過酷な状況下でも割れてしまうことを防ぐためだ。そういった意味では、ジムニーのデザインはカジュアルを一切排除していると言えるだろう。

そしてそれはインテリアも同様だ。横の直線を基調としたインパネ周りやドアトリム、シンプルで瞬時の判断が付きやすいメーターは一体感があり、色付きのパネルやステッチなど、加飾もほとんどなく、どこまでも機能性に対して忠実だ。

質実剛健といった言葉がぴったりだ。ジムニーの海外輸出向けの名称は「サムライ」であるが、彼には質素倹約をむねとし、実直に生きた侍の魂が宿っているのだ。

あくまでプロフェッショナルなモデルとして

では、性能において彼はどう変わっていったのだろうか。

先述したように、ジムニーは頑強なラダーフレームを採用する本格的なSUVだが、4代目ではオフロードのみならず、普段の街乗りでの快適性も向上しているのが特徴だ。

例えば、往年のジムニーファンをも唸らせるのは、ラダー式フレームや前後リジットアクスルといったジムニーらしいメカニズムを継承しつつ、フレームの剛性アップやボディマウントゴムの新開発、ステアリングダンパーの採用によって、確かな乗り心地を提供してくれることだろう。

このような走行性能の向上は、パワートレーンの改良による部分も大きく、ジムニーは現在、グレードXC・XL・XGの3グレード展開となっているが、全車で0.66L 水冷4サイクル直列3気筒のターボエンジンが搭載されている。

このエンジンは低回転域からトルクをしっかり生み出し、またギア比が低めなので、低い回転数でシフトアップしていっても難なくパワーが付いてくる。ひとたびアクセルを踏み込めば伸びやかに加速し、ドライバーに新しい世界を見せてくれるだろう。

すべてに置いて我を貫く無骨なスタイルは、一見近寄りがたいが、知れば知るほど愛着が湧く、ありふれた軽自動車やSUVに飽きたドライバーに、一度は体験してもらいたい逸品だ。

しかし、ジムニーの魅力の本質は、プロフェッショナルに向けたものという点であろう。例えば、林業に従事している方のように、細く険しい林道を雨の日も雪の日も往復し、なおかつ多くの工具を積載する必要がある場合は、ジムニー以外の選択肢は現実的ではない。こういった人々において、ジムニーはほんとうの意味での相棒なのである。

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