2020年11月24日、日産自動車がノートのフルモデルチェンジを発表した。前輪駆動の2WDモデルを12月23日、4WDモデルを来年2月に販売を開始。販売価格は202万9,500円~になることがアナウンスされている。
反撃を開始した日産の2番手
2005年に初代モデルがデビューしたノート。2012年に2代目へバトンタッチし、2016年のマイナーチェンジにてeパワー搭載車を発表。EVに劣らぬ環境性能とスムーズな加速、静粛性が高い評価を受けた。
小型車カテゴリにて、販売翌年より3年連続で新車販売台数のトップを獲得。2018年には日産自動車としては試乗初めて年間を通して1位の栄光に輝いたこともある。
今回発表された新型は、2020年5月に公開された経営計画にて明らかになった12種の新型車の内、2番目のモデルにあたる。トップバッターはキックスだった。
さらに、新しくなるノートは日産の新デザインロゴを採用する初めてのモデルとなる。新しいロゴ自体は、7月にEVのアリア(ARIYA)が初披露された際に公開されていた。
しかし、アリアの販売が来年であるため、新型ノートが新たなロゴバッジを装着する最初の1台となる。
新型ノートが投入される小型車市場は、トヨタのヤリスやホンダのフィットといった強力なライバルたちがひしめき合う激戦区だ。先に名前を上げたSUVのキックスの投入により、新車販売台数が回復し始めた日産のブランド力回復を、強力に後押しすることが期待される。
コンパクトなボディとスタイリッシュなエクステリア
日産新型ノートは、3代目へモデルチェンジするにあたり、先代に比べて更にコンパクトなボディに刷新された。3サイズは全長4,045mm×全幅1,695mm×1,505mmとなっており、ホイールベースは2,580mmだ。
先代と比較すると、全長は55mmショートになり、15mmローになった。同時にホイールベースも20mm短くされている。狭小な道路での取り回しの良さは、比較にならないほど向上していることが予想されるだろう。
デザイン面ではアリアにも用いられているデザインランゲージ、タイムレス ジャパニーズ フューチャリズムを採用。新しい日産のロゴや新たなVモーショングリルを装着することで、スタイリッシュなエクステリアに仕上げている。
一方、インテリアにおいては小型車であることを忘れさせてくれるワイドなインパネを採用した。水平基調デザインを用いたロングコンソールを組み合わせる。
アリアにも見られたようなディスプレイを2枚並べるレイアウトで、ドライバーのための7インチのアドバンスドライブアシストディスプレイと、9インチのナビゲーションディスプレイを設置する。
シートはグレードによりデザインと素材が異なる。グレードFおよびSではカーボン調のデザインが施されるファブリックシート。グレードXではグレードFおよびSのシート表皮にブラで―ションの加飾が加わる。
トップグレードであるXでは、オプションとしてフルグロスのブラック加飾に本革のキルティングを合わせることでラグジュアリーさを演出する。
新型では全車にe-パワーを搭載
パワートレーンでは、全車でe-パワーを搭載する。従来型では最高出力79ps/最大トルク103Nmを発生させる1.2Lの直列3気筒エンジンに最高出力109ps/最大トルク254Nmのモーターを組み合わせていた。
しかし、新型ノート(2WD)では最高出力が82psに引き上げられ、モーターの出力も116ps/最大トルク280Nmとおよそ10%ほども出力が向上している。
4WDモデルにおいてはリア用モーターの性能を向上。最高出力3.5kW(4.8ps)/最大トルク15Nmだった従来型より、最高出力を50kWまで強化されている。
また、注目のポイントとして、路面状況に応じた発電制御を行う世界初の技術を採用した。路面の状況と走っている速度情報をベースとするこの技術は、凹凸が激しい路面ではエンジンを動かして発電を積極的に行う。
整備された路面であれば、発電の回数を下げることで車内に侵入するエンジンノイズも低減するという。
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今回取り上げた点以外にも、キックスに採用されていたような充電量に応じた発電制御技術や最新の運転支援システムの搭載など、多くの面で刷新された新型ノート。国内での販売は月平均で8,000台を見込んでおり、海外市場へ投入する計画もあるという。
新しくなるノートの活躍に期待したい。