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日産パトロールにNISMOが登場 SUVのフラッグシップが究極のロードカーに

日産が大型高級SUV パトロールニスモを2021年3月31日にワールドプレミアした。同社が手がけるモデルの中でも、人々を惹きつけてやまないニスモモデルだが、パトロールはどのような1台に仕上がっているのだろうか。

70周年を記念して誕生したパトロールNISMO

日産のパトロールといえば、アルマーダとQX80と共にスクラムを組んで世界を相手に戦う日本未導入の大型SUVである。付け加えておくと、“現在”は未導入。元は、日本国内でも販売されていた時期がある。

初代パトロールがデビューしたのは1951年。堅牢なラダーフレームにリンクリジッドアクスルサスペンションを採用し、日本が誇るクロカンの先駆けともなったモデルだ。

初代モデルおよび2代目はパトロールの名前を名乗っていたが、それ以降は日本名サファリ、海外ではパトロールと名乗るようになった。現行モデルの6代目が登場したのは、2010年のこと。中近東の富裕層をターゲットとしたラグジュアリーSUVへと生まれ変わったのである。

現在の使用になったのは2019年。日産のアイコンとなっているVモーショングリルと、ブーメラン形状のライトを備えたデザインが与えられ、内外装共に洗練度を高めることとなった。

そして今回、2021年にパトロールはデビュー70周年を迎えた。その目玉が新型のパトロールNISMOである。Expo 2020 ドバイでワールドプレミアされたパトロールNISMOは、ラグジュアリーカーとしての洗練度を更に高め、NISMOならではのパフォーマンスを両立させたモデルとなった。

NISSAN NISMO

最高出力428psを発揮する5.6L V型8気筒エンジンを搭載

NISMOといえば、レースシーンで日産が培ってきた究極のパフォーマンスそのものを意味する。モータースポーツの世界で戦い、勝利を勝ち取ってきたマシンとドライバー、そしてエンジニアたち。これらによってもたらされる全てのことを注ぎ込むことにより、NISMOは誕生する。

新型パトロールNISMOには、その伝統とラグジュアリーカーを熱心に愛する中東ユーザーの声を大きく反映したものとなった。

日産SUVのフラッグシップであるパトロールのプレミアム感に、NISMOとしてのパフォーマンスをプラス。ドライバビリティはこれまでにないものとなり、手足の様に動くハンドリングはドライバーに爽快感すらもたらすという。

開発に携わったのは日産が誇る精密戦闘機GT-Rに搭載されるエンジンを手作りすることが許された4名のマスターエンジンビルダーと呼ばれる職人。彼らがくみ上げる新型パトロールNISMOのエンジンは5.6L V型8気筒。専用のチューニングが施されることで、最高出力428ps/最大トルク560Nmを発揮する。

また、ボディの構造自体を強化することにより、高速安定性を向上。足回りにはビルシュタイン製のショックを用いたチューニングサスペンションを採用した。ロールを抑えたキビキビとしたハンドリングは、従来のパトロールとは全くの別物になっている。

NISSAN NISMO

NISMO専用のデザイン

日産の新型パトロールNISMOは他のNISMOモデルがそうであるように、エクステリア/インテリア共に専用の装備が与えられている。

フロントデザインにおいては、ハニカム構造となった3Dのメッシュを用いた新デザインのフロントフェイスを採用した。Vモーショングリルはもとより、追加されたクロームラインが存在感を主張する。

リアに回ってみると、ダーククロームのインサートに加えてテールランプのデザインも新しい物に。F1のマシンよりインスピレーションを受けた、視認性の高いLEDリアフォグランプを搭載した。これは、悪条件を走ることを想定するSUVならではだろう。

さらに、レッドカラーが、ベース部分を1周囲む。NISMOモデルであることが一目で分かるデザインだ。

インテリアにおいては、NISMOの最新デザインである、アルカンターラファブリックとサイドレザーを組み合わせた内装。レーシーかつ高級感溢れる空間が広がる。

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新型となるパトロールNISMOは、2021年の4月より中東での販売を開始。販売価格は日本円にしておよそ1160万円となり、もちろん日本には未導入である。究極のドライビングマシンとして生まれたパトロールNISMO。その存在感は、ドバイのセレブ達にもきっと魅力的に見えるはずだ。