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クルマで行きたい、岐阜の旅館

本州のほぼ中央にいちする岐阜県。織田信長の城下町として栄えた県庁所在地の岐阜市を始め、世界遺産にも指定されている白川郷の合掌造りなど、多くの人気観光スポットに溢れるエリアだ。そんな岐阜観光に欠かせないのが、旅の疲れを癒してくれる宿。今回は、岐阜県にある車で行きたい憧れの旅館を紹介する。

料理旅館 蕪水亭(ぶすいてい)

東京方面より、中央自動車道松本ICから一般道を走っておよそ2時間半。大阪方面より、名神高速道路一宮JCTから東海北陸自動車道飛騨清見ICへ。一般道を走って約30分の場所にある『料理旅館 蕪水亭』。創業は明治3年という老舗であり、岐阜県の最北に位置する飛騨市の風情ある街並みに溶け込むようにひっそりと佇んでいる。

この蕪水亭は、代々当主自ら板場に立つ料理旅館であり、『鬼平犯科帳』や『剣客商売』といった作品を世に送り出した日本を代表する時代小説家・池波正太郎も、足しげく通ったという。

館内に用意された客室はわずか3室のみ。昭和初期に離れとして増築され、質素かつ洗練された空間が広がる「一水」。天保期に建てられた築110年の板蔵を移築、メゾネットタイプで庭園を望む「はごろも」。当時の風情をありありと感じさせる、板倉造りを現在に復活。モノトーンの落ち着いた色調がくつろぎを生み出す「ことぶき」。それぞれ個性的な客室には、蕪水亭の歩んできた歴史が確かに刻まれている。

料理旅館である蕪水亭は、提供する料理もまた一流だ。創業以来、飛騨古川の食文化の先端を走り続けてきた蕪水亭。ブランド牛である飛騨牛を始め、地場の食材を用いた季節の料理でおもてなしをしてくれる。

また、今でこそ飛騨地方を代表する郷土料理となった朴葉味噌は、この蕪水亭が発祥。元祖朴葉味噌は、朝食として味わうことができる。

料理旅館 蕪水亭(ぶすいてい)

アクセス:中央自動車道松本ICから一般道を走っておよそ2時間半
引用: 料理旅館 蕪水亭(ぶすいてい) 公式サイト

下呂温泉 湯之島館

国内でも屈指の温泉地として知られている下呂温泉。この温泉が湧き出す墳泉地のほど近く、山の中腹に昭和6年に創業。

『下呂温泉 湯之島館』は、多くの湯治客が訪れる下呂温泉郷の中でも一目おかれる温泉旅館だ。東名高速道路小牧ICより、国道41号線を走ることおよそ2時間。見えてくる昭和ロマン溢れる宿は、建物自体が登録有形文化財に指定されている。

下呂の街並みを見下ろす高台に建てられたこの宿は、およそ5万坪の中に建てられている。創業当時から変わらぬ姿の本館は、現代のように内装の設計図もない時代に、飛騨の名工が細部に至るまでこだわって造り上げた芸術品なのだ。

また、日本三名湯にも数えられる下呂温泉に立つ旅館ならではの温泉も自慢。西暦901~923年に成立したといわれている下呂温泉だが、湯之島館はその源泉を保有している宿だ。

館内あらゆる所に、温泉を贅沢に引き入れている。浴槽はもちろんのこと、カランやシャワー。温浴設備として備えている天望大浴場、展望露天風呂、家族風呂だけでなく、客室に備えた内湯や露天であっても、下呂の名湯をゆっくりと満喫できる。

客室は、昭和6年創業当時のまま形を変えていない本館客室を始め、本館8~11階の高台部分に位置する飛騨の山々を見渡す眺望が美しい「景山荘」、グループでも宿泊可能な広々したメゾネットタイプの「深山荘」に加え、昭和天皇・皇后両陛下も滞在なさったことのある貴賓室「七重八重之間」も。滞在シーンに合わせて、バリエーション豊かな客室を備えるのも、湯之島館が名旅館として名を馳せる理由の1つだ。

下呂温泉 湯之島館

アクセス:小牧I.C.→国道41号線(94.8km 約2時間)
引用:下呂温泉 湯之島館 公式サイト

滝元館 遊季の里

創業明治13年の『滝元館 遊季の里』は、日本の滝100選にも選出されている名瀑・養老の滝の程近くに建つ伝統ある旅館だ。東海道環状自動車道養老ICより、養老公園方面へ走ること約20分。

全部で11室のみという小さな宿ならではの、行き届いた気配りに満ちたおもてなしが自慢だ。養老の四季を窓際に感じる和室「招月」を始めとして、露天風呂が備わる「春霞」「深緑」「秋麗」の3部屋。

さらに、2018年にリニューアルしたばかりの温泉露天風呂付「夕月」、庭園の向こうに濃尾平野の雄大な景色を望む特別室「風花」といった、個性豊かな客室がゲストを迎え入れてくれる。

また、館内の露天風呂はどこまでも広がる眺望が素晴らしい。晴れた日には、恵那山や木曾御岳はもちろん名古屋駅セントラルタワーズまでも見通すことができる。昼は、濃尾平野ののどかな自然、夜は夜景と時間帯によって変わる表情も魅力。絶景を眺めつつ湯に抱かれる贅沢は、何度でも味わいたくなるはずだ。

滝元館 遊季の里

アクセス:東海道環状自動車道養老ICより走ること約20分
引用:滝元館 遊季の里 公式サイト

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明治3年に創業、稀代の小説家も足しげく通った老舗旅館を始めとして、国内でも屈指の温泉地位である下呂温泉に建つ旅館など、一度は泊まってみたい旅館が集まる岐阜県。岐阜県観光の際は、憧れの宿でゆったりとした休日を過ごしてほしい。

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