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【テスラ モデルY】ミドルサイズSUV 欧州でデリバリー開始エントリーグレードは2021年春に登場

テスラのミドルサイズSUV『モデルY』のデリバリーが2020年秋ごろより始まる。モデルYは、テスラのモデル3とモデルXよりインスピレーションを受けた新型EV。エントリーグレードからパフォーマンスモデルまで備えた、極めて実用性の高い1台として登場する。

ドイツに広がるテスラ車の波

テスラ モデルYの納車がようやく始まる。初めて登場が予告されたのが、2019年3月15日であったので、およそ1年半の間テスラファンは首を長くして待っていたことになる。

ただし、これはドイツを始めとするヨーロッパでの話であって、アメリカでは既に導入済みだ。テスラが10月に発表したモデル3およびモデルYの世界販売台数の合計は、約12万4,100台。既に人気モデルの仲間入りを果たしている。つまり、首を長くして待っていたのはヨーロッパ、特にドイツのテスラファンなのだ。

なぜかといえば、2019年当時のドイツ国内におけるEVの新車販売台数は全体で6万3,281台。この中で、テスラのモデルXは14位。モデルSは12位、モデル3にいたっては全体のおよそ1/6を占める9,013台を売り上げて3位に食い込んだのである。

政府が補助金を出し、ドイツ御三家メーカーよりアウディのeトロンやメルセデスのEQCといった魅力的なEVが供給されているにも関わらずだ。

モデルYのヨーロッパ導入を待ちきれなかったオーナーは、わざわざアメリカよりモデルYを並行輸入して乗っているというのだから驚く。テスラが送り出したミドルサイズSUVが、いかに人気であるかが分かるエピソードであろう。

テスラ モデルY

モデル3と多くの部品を共通したボディ

モデルYは、前述したようにモデル3とモデルXをモチーフとしたモデルである。テスラ車らしいデザインが施されたエクステリアには、ガラスのパノラマルーフとピラーレスドアが採用された。鳥のハヤブサが羽ばたく様を表現したファルコンドアが採用されなかったのは寂しい気もするが、全体的な見た目は極めてテスラ的だ。

というよりも、モデル3の腰を少し浮かせたようなシルエットに見える。それはそのはずであり、モデルYはモデル3と構成部品の3/4を共有しているためだ。これは、ファルコンドアの不採用と合わせて、大きなコストカット成功の要因となっている部分でもある。

3サイズは全長4,075mm×全幅1.920mm×全高1,620mmとなっており、数値を見ても間違いなくモデルYがSUVであることを再確認させてくれる。10mm伸ばされたホイールベースは、3列シートを搭載可能なプロポーションに変えた結果、通常の5シートモデルでの居住性を拡充した。

インテリアデザインを見てみると、モデル3とイメージこそ共通しているがシンプル極まりない。インストルメントクラスターは削除され、もはや「インパネ」と呼んでいいものかどうかも悩ましい。スイッチやダイヤルは極限まで削り取られ、あるのはステアリングと15インチのタッチスクリーンのみだ。空調やオーディオ、ナビゲーションといった操作は、全てこのスクリーンにて行うことになる。

高性能な「パフォーマンス」を含む4グレードで構成

モデルYは、4つのグレードによって構成される。スタンダード/ロング・レンジ/デュアルモーターAWD/パフォーマンスの4種類だ。

この内、最も航続可能距離が長いのが、その名の通りロング・レンジである。航続可能距離を507kmとし、最高速度は209km/h、0-100km/h加速は5.5秒というBEVらしい性能を発揮してくれる。

グレードのレベルに応じて僅かにパフォーマンスが異なり、デュアルモーターAWDは航続可能距離450km、最高速度217km/h、0-100km/h加速は4.8秒とし、パフォーマンスはデュアルモーターAWDと航続可能距離を同じとしながらも、最高速度を大幅にアップし241km/h、0-100km/h加速は3.5秒という優れた走行性能を発揮してくれる。

また、4つのグレードの内、エントリーグレードとなるスタンダードについては2021年春の登場がアナウンスされている。大きく遅れての登場となるが、航続可能距離は370km、最高速を193km/h、0-100km到達まで5.9秒のスペックになる予定だ。

テスラ モデルY

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テスラにとって、モデルYは非常に重要なポジションにある。SUVの世界的需要を鑑みれば、ブランドの最多量販モデルとなるでろうことが予想に難くない。多くの面でコスト削減を掲げているテスラにとって、最大のチャンスと呼べるモデルなのかもしれない。

テスラ モデルY