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【キア ソレント】最もハイテクな量産モデル

1998年、韓国で最大手の自動車メーカー・現代自動車の傘下へ入ったキア。開発されるモデルは、主要なパーツのほとんどを現代自動車と共通しているのも特徴だ。そんなキアのラインナップの中で、人気が高いSUVがソレントである。

アグレッシブになった現行モデル

初代モデルがデビューしたのは2002年。それから2度のフルモデルチェンジを経て、現行モデルは2015年に登場した3代目となっている。

UM型となったソレントは、先代モデルに比べ、別物のように大きく改良が加えられた。

キアのコンセプトカーとして2013年に開催されたシカゴオートショー等に出展されたクロスGTに見られたようなデザインを各所に採用。特に、キアのキャラクターアイコンであるタイガーノーズグリルが拡大し、よりアグレッシブな印象を獲得した。

3サイズは、全長4,800mm×全幅1,890mm×全高1,685mmとなっており、先代モデルに比べて115mm長く、5mmスリムになり、15mm低くなった。日本車でいえば、トヨタのハリアーやRAV4に近いボディサイズである。ミドルクラスSUVと呼んで差支えないだろう。

フェイスリフトを受けた2017年には、ヘッドランプと新デザインのテールランプにはLEDを獲得し、先進的なイメージを加速させたと共に視認性も向上させた。

2種類のエンジンと剛性に優れたボディシェル

ソレントに搭載されているパワートレーンは2種類だ。グレードLおよびXLに搭載される最高出力185hp/最大トルク178lb-ftを発生させる2.4L 直列4気筒エンジンと、グレードS/EX/SXに搭載される、最高出力290hp/最大トルク252lb-ftを発揮する3.3L V型6気筒エンジン。

これに、電子制御の6速か、グレード S以上では8速のオートマチックトランスミッションが組み合わせられる。ユーザーは、ベーシックなエンジンか、よりスポーティなエンジンかを選ぶ形だ。

また、先代より53%も剛性が向上したというソレントのボディは、とてつもなく堅牢となっている。先代モデルに比べ、ハイテンションスティールの使用率を24%増し、A/Bピラーなどには熱間押出法で成型されたハイテン材が採用されたのだ。

強度の高い素材をシャシーだけではなく、ホイールアーチやテールゲートにも用いたことで、ソレントは最高クラスの安全性も確保した。アメリカの道路安全保証協会が定める衝突テストにて、2020年のトップセーフティピックに選抜されている。

快適性と利便性を両立したインテリア

ミドルサイズのSUVであるソレントは、室内のユーティリティもかなり優れている。標準で3列7人掛けシートを備え、3列目シートは50:50の分割折り畳み式だ。

ワンタッチスライド&フォールド機能を持つ2列目シートは40:20:40分割折り畳み式となっており、乗員と積み込む荷物に応じて様々なシートアレンジを行うことができる。フロントシート以外を全て格納してしまえば、実に2000L近くの荷室容量を確保する。

キア ソレント

コネクティビティも、AppleCarPlayとAndroid Autoに対応。搭載される7インチもしくは8インチのタッチスクリーンから、ワンタッチで様々な機能を使うことが可能だ。

さらに、Kia Accessアプリをスマートフォンにダウンロードすることで、ソレントに接続。車外からクライメートコントロール付きのリモートスタートでエンジンを始動させ、ロックのロック/ロック解除をしたりすることもできてしまう。

インテリア自体も洗練されており、質感は上々。昨今のPSAグループの質感にも勝るとも劣らない仕上げだ。派手さはないもののシックで落ち着いた車内は、シートトリムをカスタマイズすることで好みの空間を演出してくれるだろう。

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ソレントは、キアのラインナップでもかなりの実力を秘めたモデルである。

大きすぎず、小さすぎないボディサイズやユーティリティ、最新のコネクティビティや安全装備は、それこそトヨタのハリアーや日産のエクストレイルにも比肩するだろう。

エントリーグレードのSで本体価格26,990ドル(日本円でおよそ290万円)~というリーズナブルな価格も素晴らしいモデルだ。