韓国で咲いて大手の自動車メーカーであるヒュンダイには、i20という人気のコンパクトカーがある。現行モデルは2代目にあたり、WRCにも投入されレースシーンでも活躍している一台だ。今回は、欧州でも人気が高いハッチバックモデル、ヒュンダイのi20の姿に迫る。
日本人が知らないヒュンダイと、コンパクトカー・i20
自動車業界にとってなくてはならないイベントの一つに、ジュネーブモーターショーがある。毎年、各メーカー新進気鋭の新型や次世代のコンセプトカーがずらりと並ぶ、ファンにとっても待ち遠しいイベントだ。
しかし、2020年3月に開催予定だったジュネーブモーターショーは、新型コロナウイルスの影響を受け、開催数日前の急遽中止を決定。業界に大きな打撃と影響を及ぼした。そんなジュネーブモーターショー2020に、ヒュンダイ(現代自動車)が出展予定だったモデルの一つが、i20の次世代モデルである。
i20は、主に欧州の市場に投入されているハッチバックのBセグメントコンパクトカーだ。初代モデルのデビューは2008年。現行モデルへとフルモデルチェンジを受けたのは2014年のことである。「ヒュンダイを知らないのは日本だけかもしれない」というのは、2000年代にヒュンダイが日本進出を果たした際のキャッチコピーだが、この現行型i20は、ゴールデン・ステアリングホイール賞を受賞したこともある。
ゴールデン・ステアリングホイール賞を知らない人に説明しておくと、ドイツの「Bild am Sonntag (ビルド日曜版)」および自動車専門誌「Auto Bild (オートビルド)」が主催する自動車賞であり、なんと43年の歴史を持っている。過去には日本車でもマツダのCX-30やトヨタのスープラなどの受賞歴がある、権威ある賞だ。
日本からは既に撤退してしまっているヒュンダイだが、イタリアを中心に欧州では人気が徐々に高まってきている一台である。
モデルチェンジが迫る次期型i20の姿
自動車業界にとってなくてはならないイベントの一つに、ジュネーブモーターショーがある。毎年、各メーカー新進気鋭の新型や次世代のコンセプトカーがずらりと並ぶ、ファンにとっても待ち遠しいイベントだ。
しかし、2020年3月に開催予定だったジュネーブモーターショーは、新型コロナウイルスの影響を受け、開催数日前の急遽中止を決定。業界に大きな打撃と影響を及ぼした。
そんなジュネーブモーターショー2020に、ヒュンダイ(現代自動車)が出展予定だったモデルの一つがi20の次世代モデルだ。公表されているのは、画像とスペック。本来なら、ジュネーブモーターショーで、全貌が明らかになっていたと思うと寂しい気もするが、我慢するほかない。
さて、次期型i20は現行型に比べ、ボディサイズが一回り大きくされている。このボディにはヒュンダイの最新デザインフィロソフィーである”Sensuous Sportiness(センシュアス スポーティネス)—感性的なスポーティーさ” と、最新デザイン言語 “Fluidic Sculpture(フルーイディク スカルプチャー) 3.0—流体の彫刻3.0”が採用された。
さらに、現行モデルよりも拡大したフロントグリルには、ヒュンダイのデザインアイデンティティであるカスケーディンググリルを装着している。ボディサイズの拡大は、積載能力と居住性の向上をもたらした。ラゲッジスペースがさらに広がり、25Lのブートスペースと合わせて351Lのラゲッジスペースを確保している。
また、パワートレーンには最高出力100PSおよび120PSの1.0Lのターボチャージャー付エンジンが用意される。、48Vのマイルドハイブリッドの設定もラインナップするとされる。これらのエンジンに、6速のMTおよび7速のDCT、さらに新開発の6速インテリジェントマニュアルが組み合わされる予定だ。日本への導入は望み薄だが、最高出力84PSを発生させる1.2L 直列4気筒も一部の市場へ投入される。
世界の舞台でも活躍
現行型i20は、2014年より世界ラリー選手権(WRC)にも参戦している。2020年のシーズンに投入されたのは2ドアのクーペモデルだ。2019年シーズンには好調だったトヨタに18ポイントの差をつけ、初の栄冠を手にしたヒュンダイ。
2020年シーズンはモーターショーと同様、新型コロナウイルスの影響を受け、3戦目までは通常通り開催されたものの第4戦のラリー・アルゼンチン以降、第6戦のラリー・イタリアまでは開催延期が発表されている。なので、次回のレースは7月16日から開催される第7戦のラリー・ケニアだ。
現在、2020年シーズンに投入されている2020年型i20クーペは、リアウイングをリデザイン。マフラーのテールエンドの位置を変更し、ルーフに取り付けられるベンチレーターも形状が変えられた。
世界で戦うラリーカーとして仕上げられたi20クーペには、最高出力360hpを発生させる1.6Lの直列4気筒ターボエンジンが搭載される。ライバルとして戦うことになるトヨタのモンスターマシン・ヤリスWRCと肩を並べる堂々たるスペックだ。i20クーペが出走する、ラリー・ケニアの結果が楽しみなところである。
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発表された次世代モデルは、既に韓国国内で公道テストを行っているというウワサもある。
先日開催された第16回国内水素・燃料電池展SNSにて、水素電気自動車であるネッソを出展し、Twitterでは日本向けのアカウントを開設したヒュンダイ。
ヒュンダイが日本市場への最進出するような動きも見られる中、もしそうなるとするならば新型i20の存在はコンパクトカー人気が高い日本においても大きな武器となるだろう。