東北自動車道盛岡ICより、国道46号線を経由しておよそ1時間半。『夏瀬温泉 都わすれ』は、周りに民家も他の旅館も存在しない自然の音と静寂に包まれてひっそりと佇んでいる。名前の都わすれが示す通り、都会の喧騒とは無縁の温泉宿だ。
客室は源泉かけ流しの露天風呂が付いた、わずが10室のみ。抱返り渓谷の景色を目の前にしつつ、プライベートな温泉を楽しめる贅沢な空間である。
ここで入れる温泉は、夏瀬温泉だ。江戸時代に角館城主だった佐竹氏が、温泉を管理するために周辺の広久内に住む人々に材木を授けたという文献も残る由緒ある温泉。2018年には再掘削により、豊かな泉質はそのまま温度と湯量が大きく増えたという。
食事には、地場産・旬の食材を豊富に用いる。県内産の黒毛和牛や稲庭うどん、秋田の郷土料理であるきりたんぽなど、豊かな食文化を実感できる献立が並ぶ。里山の恵みを、お腹いっぱい頬張ろう。