佐賀の美食で外せない海の幸といえば、呼子のイカだ。呼子町では、新鮮なケンサキイカを活き造りにして食べる。玄界灘の荒波に揉まれて育ったケンサキイカは、歯切れの良い適度な弾力と濃厚な甘味が特徴。鮮度が保たれたイカの身は透き通ったガラスのようで、見た目も美しい。
ケンサキイカが旬を迎えるのは7月から9月の間。初夏には、最も味が良くなったケンサキイカの活け造りを求めて、多くの観光客が呼子町に足を運ぶ。
西九州自動車道から二丈浜玉道路を経由。国道202号線出口で有料道路を降り、車でおよそ40分。そんなケンサキイカの活け造りを、日本で初めて作ったのが昭和36年創業『河太郎 呼子店』である。
佐賀県の唐津市内、料理人だった初代・古賀光謹氏が友人の漁師の船に乗っていた際、玄界灘で水揚げされたイカの活きの良さと美しさ、美味しさに気が付いたことに端を発する。そうして開業した河太郎は、日本で初めてのいけす料理屋となったのである。
注文を受けた後いけすから挙げられるイカを使った「イカの活造り定食」や、イカを余すところなく食べられる「河太郎定食」など、イカを主役に添えた多くのメニューを提供している。極上のイカと、熟練した職人技を味あわない選択肢はないだろう。