柑橘系だけじゃないおすすめしたいグルメがたくさん…クルマで行きたい、愛媛のグルメスポット

HC編集者

4年前

愛媛県といえば、瀬戸内の気候が育くむ柑橘類の知名度が全国的に高い土地。県内には、日本最古の温泉地である道後温泉や城下町・松山など、人気の観光スポットも数多く存在している。旅には美食がつきもの。

今回は、柑橘類だけではない愛媛県にある絶品グルメスポットを紹介する。

郷土料理五志喜

愛媛の県魚にも指定されているのが真鯛だ。愛媛県は真鯛の生産量国内トップを誇っており、養殖によるシェアも50％を占めている。もちろん、養殖だけではなく天然の真鯛も名産で、水揚げされる真鯛は徳島の鳴門鯛に並ぶ品質とブランドを持っている。

そんな真鯛を使って作る、愛媛県ならではの料理が鯛そうめんだ。古来より、祝いの席で振舞われてきた鯛そうめん。麺に鯛のすり身を練りこんだ料理……ではなく、丸のままの鯛を1尾盛り付け、その周りにそうめんと錦糸卵、シイタケといった具材を並べた郷土料理である。

鯛自体の味付けは作られる場所によってさまざま。この鯛の身をほぐし、麺と共に麺つゆで頂く。特に、松山で作られる鯛そうめんは名物だ。それぞれ、白・赤・黄・緑・茶という色とりどりの五色そうめんを用いる。

そして、この五色そうめんを作る老舗が1635年創業という森川だ。松山自動車道松山ICより、車でおよそ15分。

この森川の直営店が『郷土料理五志喜』である。鯛そうめんは、「鯛そうめん(姿身)」と「鯛そうめん(切り身)」の2種類を提供。本来は10人前前後の量がある鯛そうめんを、1人分の量で食べられるのが嬉しい。

鯛そうめん以外にも、鯛茶漬けや鯛めしといったメニューを揃えている。愛媛の真鯛を存分に堪能できるだろう。

野中かまぼこ店

愛媛県の南予地方で、古くから親しまれているのがじゃこ天だ。練り物の1種であるじゃこ天は、豊かな漁場として知られている宇和海で漁獲される魚を皮が付いたまま、すり身にして揚げたもの。

練り物といえばかまぼこが一般的だが、じゃこ天にはそのかまぼこに使われない太刀魚やむつといった魚を使うという特徴がある。そのため、かまぼこに使わない雑魚(ザコ)から転じてじゃこ天と名づけられたのだとか。

このじゃこ天、特に宇和島市で長く愛されており、テーマソングや宇和島じゃこ天カーニバルといった催しも開催されているほど。宇和島市民のソウルフードと呼んでも過言ではないだろう。

そんなじゃこ天を当時と変わらぬ生魚100％使う製法で作り続けているのが、『野中かまぼこ店』である。四国横断自動車道宇和島朝日ICより、宇和島市街地方面へ車を走らせることおよそ5分。

野中かまぼこ店のじゃこ天は手押してんぷらと呼ばれており、素材となる魚の中でも弾力と風味に最も優れるハランボという魚のみを使って作られる。1つ1つ丁寧に手作りされ、口当たりは柔らか。店舗では作業風景も見ることができるため、揚げたてのじゃこ天を食べながら、じゃこ天ができていく様を眺めてみるのも面白い。

世渡

愛媛県の今治市といえば、日本一のタオルの町としても有名。だが、同時に日本三大焼き鳥の街でもあることをご存じだろうか。今治市内だけでも、70以上の焼き鳥店があるという。

焼き鳥といえば、具材を串に刺して焼くのが一般的なイメージだが、今治焼き鳥は逆に串に刺さずに焼き上げる。古くから商人の街として栄えた今治には、せっかちな気質の人が多く、スピーディに提供できるように工夫した答えが「串に刺さずに鉄板でさっさと焼く」だったのだ。

今治流の鉄板焼き鳥を堪能できるのが、『世渡』だ。西瀬戸自動車道今治北ICより、国道317号線を車で走ることおよそ10分。出される料理すべて美味いという人気店だが、やはり真っ先に味わいたいのが「皮焼き」だろう。今治では定番の皮焼き。世渡では、これに甘辛タレを絡めて絶妙な火加減で焼き上げる。タレだけでアルコールが進む絶品の味付けで、生キャベツとの相性も抜群だ。